ARTIFACT@はてブロ

最近はオーディオブログです

満州からの日本人引き揚げはアメリカのおかげ

NHKスペシャル|引き揚げはこうして実現した 〜旧満州・葫蘆(ころ) 島への道〜[↑B]
録画していたこの番組を見たけど、終戦直前の8月14日に、日本政府は海外の日本人居留民を帰国させずに現地に定着させるという電報を出していたのを知って驚いた。棄民するつもりだったとは…。
中国国民党蒋介石が、満州で勢力を伸ばす中国共産党に対抗するため、アメリカに兵力輸送の協力を希望するが、当初は中国の内乱にアメリカは加担するつもりはなかった。しかし、中国共産党の勢力がどんどん伸びていき、共産主義に対する危機感のあったアメリカは、輸送力を提供することを決定する。
アメリカは、戦車揚陸艦などの100隻ぐらいの輸送船を提供し、1日1万人の規模で日本人を帰国させる計画を立てる。こうして、上海から満州の葫蘆島へ国民党の兵士を輸送、満州から日本に日本人を輸送、日本から中国に日本にいた中国人を輸送というトライアングルができたそうだ。最後は朝鮮人の帰国では?という気もするんだけど、図では日本から中国になっていた。
葫蘆(コロ)島からの引揚げ[↑B]
この番組を見て書かれたと思われる記事では、朝鮮人の帰国としている。
朝鮮人送還事業では、帰国希望者が減少したあとも、日本側は帰国させたがっていたというのが興味深い。のちの北朝鮮帰国事業で、日本政府が在日朝鮮人を帰国させたがった事情に繋がるなあ。移民政策とともに、日本政府はとにかく人口を減らしたがっていたというのがよくわかる話だ。
引き揚げ話は、日本の輸送艦や商船などに乗って…みたいな話ばかりだったので、普通に日本政府が引き揚げを担当していたと思っていたけど、満州に関しては日本ではなく、アメリカの事業だったとは。もし、朝鮮戦争がもっと早く勃発していたら、引き揚げの輸送に割く艦船がなかっただろうから、引き揚げできなかったのかも知れない。
その時歴史が動いた[↑B]
ちょうど去年の12月の「その時歴史が動いた」でも取り上げていたみたい。
nozawa22: 戦後満州引き揚げ 故郷への道[↑B]
引き揚げ者の女性の中には望まぬ妊娠をしていた人が多かったので、大規模に堕胎手術が集団で行われていたのか…。