田中角栄氏に絡んだ話で、ロッキード事件は独自外交を展開した田中角栄氏をアメリカがつぶした陰謀だ!って説があるけど、あれってどう検証されているんだろうと思ったら、ちゃんとされているようで。
田中角栄入門
<日本人はロッキード事件は、田中角栄事件だと思っているけど、全くそうではありません。あの事件は世界数カ国にまたがる、とてつもない広がりをもった前代未聞の航空機商戦の汚職疑惑なわけです。国はイタリア、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、スウェーデン、インドネシア、フイリピン、トルコ、イラン、メキシコ、コロンビア、ナイジェリア、サウジアラビアなどにまたがり、ひっかかった人間の中にはイタリアのアンドレオッチ元首相、オランダのユリアナ王女の夫君、ベルンハルト殿下、ドイツのシュトラウス元国防相、スエーデンの空軍司令官よいった人まで含まれています。角栄の資源外交をつぶすために、それだけスケールの大きな事件を謀略として起こすなど不可能なことはあの事件をグローバルにとらえる目を持っている人には疑問の余地なくわかることです>
※立花隆氏の『田中真紀子研究』からの引用
概略はこのページの解説で知ったんだけど、田原総一郎氏が中央公論1976年7月号に書いた「アメリカの虎の尾を踏んだ田中角栄」という記事が、アメリカ陰謀説の始まりだそうだ。で、この説を気に入った田中角栄氏本人や中曽根康弘氏が、記者などによく語り、広まっていったらしい。検証に関しては『角栄失脚 歪められた真実』が詳しいそうなので、今度読んでみたい。
- 作者: 徳本栄一郎
- 出版社/メーカー: 光文社
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※「日本は成功した社会主義国家」が「日本は政府の産業政策によって経済成長した」という意味ならおかしいという話。政府が介入したり補助した産業よりも、そうでない産業のほうが成長率が高いというデータなどもあり、根拠が薄いという。これに関しては『産業政策論の誤解―高度成長の真実』(ISBN:4492393986)が詳しいらしいが未読。
詳しい人には、より正確な解説を期待。経済系の詳しい人に『ダメな議論』にあったみたいなFAQを書いて欲しいところ。