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Kindleの講談社50%ポイント還元セールで日本の近現代史の本を中心に紹介

歴史の本は、知識が必要な本が多いので、既読の本には、難易度をつけた。★1が一番簡単で、特に知識がなくても読めるレベル。★2は大体の流れの歴史を知っているのなら読めるレベルで、★3はその上でより細部を知りたいという歴史マニア向け。
Kindleだと、知らない事件や人物名があっても、選択すれば、すぐに説明が読めるので、普通に本を読むよりは難易度が下がると思う。また、X-Rayに対応していれば、同じ本の中で別に出てきたところの文章も読めるので、理解も速い。また、端末の中の全文検索もできるため、あるキーワードが別の本の中でどのように解説されているのかも知ることができる。歴史の本を電子書籍で読むのはすごくお勧めである。
講談社学術文庫講談社選書メチエは高めの価格設定なので、今回のような大幅なセールの時には買うのがお得だ。
講談社の書籍・雑誌・写真集 50%ポイント還元キャンペーン
※セールは2月8日23時59分まで

井上寿一

※改題されて学術文庫に入った
【難易度★★】日中戦争は当時の人々にとって、格差をなくす「革命」であったというのを、当時の資料を駆使して理解させてくれる。基本的な知識があった方が読みやすいが、現代と通じる話が多いため、歴史の知識があまりなくても、わかりやすく、知的好奇心を満足させてくれるだろう。
※紹介記事を書いた
講談社選書メチエ『日中戦争下の日本』(井上寿一著)は日中戦争下の日本社会の雰囲気がわかる良書 : ARTIFACT ―人工事実―[↑B]

【難易度★】戦前の日本がアメリカ化(大衆消費社会)、格差社会、大衆民主主義だったことを描く。新書ということもあり、読みやすい。
現代ビジネスで本書より抜粋された一部が読める。
「事変不拡大」を模索した近衛文麿は、なぜ「日中戦争の泥沼化」を止められなかったのか(井上 寿一) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)[↑B]
誰も知らない「モンペ」の謎〜なぜこれが女性の「国民服」になったのか?(井上 寿一) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)[↑B]
誰も本気で米国と戦争するなんて思ってなかった〜「壁新聞」が伝えた開戦間際の「日米友好」(井上 寿一) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)[↑B]

大杉一雄

銀行マンだった大杉一雄氏が、定年後、自分を翻弄した戦争について詳しく知りたいと思って、自力で資料を集めて歴史の本を書いたという異色の経歴を持つ。歴史学者ではない素人の本なんて……と思われるかも知れないが、資料の読み込みは非常にしっかりしており、素人の歴史本でありがちな「独自研究」的な視点は一切ない。

【難易度★★】日中戦争が複雑で理解できなかったので、良い本を探していた時に見つけた中公新書『日中十五年戦争史』の講談社学術文庫版。長期に及んだ日中戦争だが、戦争初期に戦争拡大を防げたポイントがいくつもあったことを教えてくれる。
中公新書版のKindleもなぜかある。※参考書評
大杉一雄 『日中十五年戦争史』 (中公新書): 万年初心者のための世界史ブックガイド[↑B]
大杉一雄『日中十五年戦争史』[↑B]
Internet Zone::WordPressでBlog生活 » Blog Archive » これは力作 大杉一雄『日中十五年戦争史』[↑B]
こちらはまだ買っておらず、未読なのだが、『日中戦争への道』の出来を考えると期待できる。講談社から出た『真珠湾への道』を改題したもの。

一ノ瀬俊也

【難易度★】米軍報告書から日本軍の姿を掘り下げる新書。極端に描かれやすい日本軍の兵士たちの実像を伝える。
現代ビジネスで一部が公開されている。
米軍から見た帝国陸軍末期の姿〜本当に天皇や靖国のために戦っていたのか?(一ノ瀬 俊也) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)[↑B]
米軍はいかにして日本兵を投降させたか〜その周到すぎる心理作戦(一ノ瀬 俊也) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)[↑B]
米軍を唖然とさせた日本軍の人命軽視〜重傷病者には「自決」を要求(一ノ瀬 俊也) | 現代ビジネス | 講談社(1/7)[↑B]

※一ノ瀬俊也氏は角川選書の『故郷はなぜ兵士を殺したか』が非常に面白かった。日露戦争以降、亡くなった兵士を地方がどのように顕彰してきたかを、膨大な資料で見せてくれ、日本国民が戦死者とどう対峙してきたか、そして戦死者がどのように国家動員に使われてきたかがよくわかる。

川田稔

【難易度★★★】非常に評価は高いのだが、いかんせん昭和史にある程度通じて、大量に出てくる人物名、特に軍人名に戸惑わない程度の知識が必要なので、勧める人を選ぶ。
川田稔氏は、殺されてしまったためか、あまりスポットの当てられない統制派の永田鉄山を重視しており、彼の思想が掘り下げられている。というか、当時の日本の行動はほぼ永田鉄山の思想通りに動いたと読める本である。

【難易度★★】第一次世界大戦第二次世界大戦の間の戦間期の国際社会をかつての要人たちはどのように考えていたのか。山県有朋原敬浜口雄幸永田鉄山という個人にスポットを当てているため、わかりやすい。

以下は買ったのだが未読。

黒野耐

【難易度★★】日清戦争以後の日本の歴史で、どのような選択肢がありえたのか、もしその選択をしたら、どのような未来になっていたかをシミュレーションをする本。日露戦争後、米国が満州を共同経営しようと話を持ち掛けたのを蹴ったり、第一次世界大戦での日本の振る舞いが自国の利益重視過ぎて、国際社会に不信を抱かせたというのを大きな分岐点として挙げている。

満州

【難易度★★★】露日中三国が繰り広げた満州の利権をめぐる争いの歴史を描く。特に鉄道利権に焦点が当てられており、当時の鉄道の重要性がよくわかる。普通の日本史の本では、日本の事情ばかりで他国の事情は簡単に説明されていることが多いが、この本ではロシア(ソ連)や中国の思惑がよくわかって、満州の複雑な歴史を立体的に理解できるのが良い。
登場する人物はマイナーなら、きちんと解説されているので、基本的な知識があれば読める本ではあるのだが、わかりやすい主張などはなく、気軽に読める訳ではないので、非常に歴史マニア向けの本だと思う。

その他日本近代史

【難易度★★】政治家や軍人がどのようなロジックで戦争をすべきかを語り、国民はどうしてそれに納得して支持をしたかを解説する本……というのが内容紹介になるのだが、自分が読んだ印象では、政治の話ばかりで国民がなぜ納得したかという部分については不満が残る内容であった。当時の政治家や軍人の思考が知りたいという欲求には答えてくれる。
非常に話題になった本で、タイトルを見ると、それほど歴史の知識がなくても、読めそうな感じがするが、基本的な知識はないと理解は難しい。

【難易度★】イギリスで生まれた学級システムとは本来特定の機能しか持たされなかった限定的なものだったのが、日本だと近代化する以前に導入されたために、日本の共同体(ムラ社会)を強固にし、生活すべてを支配するシステムになっているというのを、歴史から辿って丁寧に解説する。昔からお勧めしているのだが、教育論というと、教育を高尚なもの、神聖なものという前提で語られるけど、サービス産業と同じような視点で教育を眺めている点がかなりユニークである。学者の人らしい論文文体で慣れない身には読みづらいんだけど、専門用語が羅列されたり、抽象的な話ではないので理解はしやすい。
※以前の紹介記事
『〈学級〉の歴史学―自明視された空間を疑う』 - ARTIFACT@ハテナ系[↑B]
『〈学級〉の歴史学―自明視された空間を疑う』を再度プッシュ - ARTIFACT@ハテナ系[↑B]

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ドイツ史

【難易度★】冒険小説を読むような感覚で手軽に読める。これがフィクションではなく、実際の話だというのだから非常に面白い。

【難易度★】ドイツでヒトラーが台頭した歴史をコンパクトにまとめたお勧め本。ドイツの歴史に詳しくない自分でも、理解しやすかった。

国際

ボスニア・ヘルツェゴビナアの紛争において、アメリカのPR(パブリックリレーション)業者がどのように活躍したかを『戦争広告代理店』で描いた筆者だが、ボスニア・ヘルツェゴビナア紛争での話に、近年の動向も加えて、国際社会でのメディア情報戦をコンパクトにまとめている。
 国際世論を左右するメディアで、いかに自陣営にとって都合がいいように取り上げてもらうか、水面下の争いの激しさがわかる。また、巨大な政治メディアショーであるアメリカ大統領選で行われた情報戦の紹介も。