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5000円から1万円台のワイヤレスイヤホン選び(2024年10月期)―EarFun Air Pro 4 / Soundpeats Capsule 3 Pro + / Anker Soundcore P40i / QCY Melobuds Pro / Xiaomi Redmi Buds 5 Proを比較する


今年登場したワイヤレスイヤホンで、5000円から1万円台には注目を集めた製品が多かった。どれが良いのか悩む人も多いと思うが、つい気になってほとんどの製品をうっかり買ってしまったので、比較をしてみたい。
中華メーカーの製品は、セールで安くなることが多く、価格性能比は基本的にセール価格で考えている。
※再生機器はPOCO F6でLDACで接続、音楽の再生にはAmazon Musicを利用。通話のテストはskypeのテスト通話を使った。録音ソフトでは音質が良くても、skypeのテスト通話だと音質が悪いことが多々あったため、実際の通話シチュエーションに近い方を選んだ。
※ノイズキャンセル性能の比較は下記の動画を使った。
新幹線の車内音でリラックスする2時間[名古屋駅 - 広島駅] - YouTube 60dbほどで再生
【走行音】E233系3000番台〈東海道線〉東京→熱海 (2021.12) - YouTube 7分辺りのかなりうるさくなるところを70dbほどの音量で再生
【高音質4時間】スタバの音風景【作業用勉強用】 - YouTube

まとめ

  • 音質、ノイズキャンセル、使い勝手を総合的に評価してEarFun Air Pro 4
  • 音質、特に高音の良さを求めるのなら、Soundpeats Capsule 3 Pro+
  • 価格の安さとノイズキャンセルの性能で選ぶのならQCY Melobuds Pro
左からRedmi Buds 5 Pro / Air Pro 4 / Capsule 3 Pro + / Melobuds Pro / Soundcore P40i

EarFun Air Pro 4

7月末に登場した新製品だが、結論からいうと、特にこだわりがないのなら、この製品を買えば良い。ハイレゾCODEC対応、高性能のアクティブノイズキャンセル(以下ANC)、マルチポイント接続(LDACとの併用は不可。aptX adaptiveは併用できる)、ワイヤレス充電、装着検出とすべての機能が入っている。特にハイレゾCODECはLDACとaptX Adaptiveのどちらにも対応しているのは、高級モデルでもあまりない特徴だ。
レビューは大量にあるので細かく紹介はしないが、音質の良さはなかなかのものだ。capsule 3 Pro +と比較すると 女性ボーカルやアコースティックな楽曲で差は感じるのだが、両者にはそれなりの価格差があり、その価格を払う価値を、誰もが感じるかというと微妙ではある。
ノイズキャンセルの性能は capsule 3 Pro +に比べると少し弱さを感じるのだが、この価格帯としてはトップクラスであることには違いない。また、ケースのイヤーピースがおさまる場所にに余裕があるため、他社のイヤーピースを使いやすい。密着性の高いイヤーピースに交換すれば、ノイズキャンセルの性能が上がる。自分のおすすめのイヤーピースはTechnics EAHシリーズで使われているイヤーピースだ。Panasonicの公式サイトから入手できるが、自分は面倒なので、Yahoo!ショッピングで売っているところがあったので、そこから購入した。「Technics イヤーピース」で検索して見つけて欲しい。
ワイヤレスイヤホンがLDACに対応していても、LDACでの再生時間について触れられていないことが多いのだが、この製品もそうだった。なので実測したのだが、NC ON / LDACでの再生時間は4時間50分だった。ハイエンドモデルでも公称で3,4時間というものは多い中、かなり優秀である。なお、aptX Losslessだと5時間40分と更に優秀であるのだが、aptX Losslessに対応するSnapdragon採用スマホは高価なので、導入のハードルは高い。
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Technicsのイヤーピースをつけたところ

Soundpeats Capsule 3 Pro+

MEMドライバーを搭載して高音質が売りのイヤホンで、今回紹介したイヤホンの中では、高音が綺麗に出るため、一番よく使っている。女性ボーカルやアコースティックな楽曲をよく聴く人にはお勧めだ。また、ノイズキャンセルの性能が高いのも嬉しい。
気になる点は、モード切り替えで、どうしてもノーマルモードがはさまれて、外音取り込みとノイズキャンセルのトグルにできないという仕様。一番の難点は再生時間の短さだ。ノイキャンON / LDAC接続は実測で3時間だった。3時間というのは、外出で電車に乗って移動、所用をこなし、どこかの店に入っていると、ちょうど店にいる時に切れるぐらいの感じである。
Edifier NeoBuds Pro 2は、音の良さとNC性能が高くて評価の高い製品だが、ノイキャンON / LDAC接続で2時間と非常に短かった。Capsule 3 Pro+は高音質とノイキャン性能の良さで、NeoBuds Pro 2と立ち位置が似ているといえる。
通話で使うと、騒音がある場所だと、かなりノイズが入り、実用に耐えなかったのも何気に難点である。
定価ベースだと、EAH-AZ40M2やAVIOT TE-W1、TE-V1Rといった他の機種も視野に入ってくるが、セール価格の1.1万円で検討したいところだ。

QCY Melobuds Pro

セール価格は5000円台とかなり安いのだが、この価格とは思えない驚異的なノイズキャンセル性能の高さを誇る。新幹線の車内音を再生した動画でも、かなり効果的に音を消してくれた。マクドナルドの店内では、人の声は明確に下がり、エアコンの音も消えた。音質にこだわりがなく、ノイズキャンセルの性能を求めるのならこれだ。
音質は悪いという訳でなく、紹介した他の製品と比べるとよくないというだけで、有象無象の格安ワイヤレスイヤホンと比べたら、良いので安心して欲しい。
Air Pro 4と比べると3000円近く安いので、プレゼントに選ぶのによさそう。

Soundcore P40i

AnkerがEarFun Air Pro 3の対抗のために出した製品だが、Air Pro 4が登場してしまった今となっては、微妙な製品となってしまった。音質、ノイズキャンセル性能ともにAir Pro 4の方が上で、利点はANC ON時でも公称10時間のかなり長い再生時間。ただ、Air Pro 4もAAC接続にすれば、ANC ONでも7.5時間になる。
音質は、レンジの狭さを感じるもので、アップテンポな曲は迫力があるのだが、アコースティックな曲のような繊細な表現はできない。
Anker製品は、単に製品の性能だけでなく、サポートの良さの魅力もあるだろう。ワイヤレスイヤホンは充電できなくなるなどのトラブルが多いので、手厚いサポートを求める向きもあるだろう。紛失に対する保証はないが、紛失に対して良いサポートがあったという話もネットで見かけた。ただ、正規の対応ではないので、基本的にどのメーカーも紛失に対してどうしようもないと考えた方が良い。
ここで紹介した製品の中では、一番有名な会社のAnkerだが、プレゼントする相手がメーカーの知名度などを気にするような人なら、Ankerは安定の選択だろう。またカラーバリエーションが多いのも魅力だ。
なお、P30iという更に下のクラスの製品もあるが、これは本当に「Anker製品である」以外に選ぶ理由が思いつかない。

一番左がRedmi Buds 5 Proだが少し厚みがある

Xiaomi Redmi Buds 5 Pro

Soundcore P40iが出るまで、1万円以下では一番という人が多かった機種。店頭では売っておらず、通販のみのため、試聴は難しい。AliExpressのセールで7000円ほどで売っているのを見かけたので購入してみた。悪い製品ではないが、特別人に勧めたいかというと微妙であった。音質もこの価格としては良い方であったが、Capsule3 Pro+が出た今となっては、特筆するほどの良さはない。
ノイズキャンセルは公称-52dbで、ノイズキャンセル性能が高いという評が多いが、自分が試した中では、この5機種の中で勝てているのはP40iだけであった。マクドナルドでは、人の声の音量は下がっているのだが、声だけやけに目立ち、特に女性の声が聞こえた。エアコンの音もかなり聞こえた。
気になったのは、外音取り込み時に他機種と違って、音が軽くなってしまうこと。また、本体がちょっと大きめのため、ぴったりハマって遮音してくれる場所を探すのに手間取ってしまう。ノズルが短過ぎて、他社のイヤーピースをつけられないのも難点だ。
マイク性能の良さと、イヤホンの向きがAir Podと同じなので、取り出して耳につけやすい、LDACでマルチポイント接続できるのは利点だ。

Edifier NeoDots

この記事を書くのを決めたあと、発売され、購入したのだが、なかなか良い製品で、プライム感謝セールで安くなっているのでぜひ紹介したい。

  • ワイヤレス充電対応
  • 装着検出を装備
  • LDACでマルチポイント接続ができる(安価な製品ではRedmi Buds 5 Proぐらいしかできない)
  • ノイズキャンセルON / LDAC接続時の再生時間は7時間以上

音も良く、高音質で長時間再生を求める人なら、AVIOT製品とならんで、ぜひ検討して欲しい製品だ。