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「強い人」と「弱い人」

http://d.hatena.ne.jp/kanose/20040721#hatenaoff
に対して
http://www.neats.org/
ニーツオルグのさやわかさんが#67で返事をしていたので書いてみる。オフ会のディスプレイの話は、もうちょっと広い話にも繋がると思って、ちょっと別項目を立てる。
「繋がり」の問題だけど、Webサイトというのは情報発信のためのパブリッシングツールとコミュニケーションツールの面があって、強い人というのはパブリッシングツールの面としてのWebに重点を置いているが、弱い人というのはコミュニケーションツールに重点を置いていると思っている。
前回出した「強い人」「弱い人」に関しては、過去に「ネットの中心を見出す中華思想」というのも書いた。この時も、情報発信とコミュニケーションという軸で触れている。
http://artifact-jp.com/mt/archives/200403/netsinocentrism.html
ここでも書いたように、自分自身にもコミュニティへの帰属意識というのは持ちたくないというのはある。ただ、さやわかさんほどコミュニティが嫌いという訳ではないから、こういう文を書いているんだとは思う。


さて、「強い人」が好むパブリッシングツールは、第三者が読んでくれなければ成立しない訳で、読者とのコミュニケーション(繋がり)を拒絶している訳ではない。しかし、それは直接的なコミュニケーションだけを欲している訳ではなく、たとえば自分の書いた文章を読んだ誰かが、それをきっかけに何か始める、といった間接的なコミュニケーションでもいいのだ。もちろん、直接的なコミュニケーション(感想をもらう)もあれば嬉しいけど、パブリッシングツールとしてのWebが好きな人は、端的に言えば、他人に影響を与えることが好きなんだと思う。
それに対して、コミュニケーションツールというのは、悪くいえば、単に繋がりがあることを確認するためのものになりやすい。学生のサークルの飲み会などで顕著だが、その身内の中で起きた出来事を中心に話していて、第三者にはちっともわからないという状況を想像してもらえればわかりやすいだろう。「あの時の○○は面白かったよね」「そうそう」といった会話は、○○の面白さを説明しない限り、第三者には通じず、身内の関係をより強くする会話として機能する。そういう会話が行われやすい場所だ。
それが一番わかりやすいのは携帯メールなのだが、Webだとこの繋がりを求めていく様子が第三者にも簡単に見えてしまって、それがしばしば「気持ち悪い」と言われがちである。余談だけど、mixiみたいなソーシャルネットワークは第三者の視点を防いでいるために「気持ち悪い」と言われにくいんだと思う*1

はてなはユーザー同士がつながるための仕組みが豊富で、しかも使いやすい形で提供されている

話をはてなに持ってくると、さやわかさんがこう言っていることに集約される。インターネットというのはハイパーリンクというシステム上、繋がりを作りやすいけど、これまでサイトという自分の城はある程度の技術を持った人でないと作りにくかった。それが、はてななどの高機能なサービスやツールの登場によって、自分のサイトという城を簡単に築けるようになり、自分を中心とした繋がりを作りやすくなったのだ。
昔からサイトをやっていると、いきなりサイトを開いても読者は身内ぐらいしかいなくて、続けていれば自然に増えるものだということを当然だと思いがちなんだけど、初めてサイトを運営する人からすると、人のこなさにびっくりするようだ。Weblogブーム以降、Weblogのシステムを使って、サイトを開いた人の感想を見ていると、「ホームページと違って読者が増えやすい」というものが多かった。
自分も、その読者の増えやすさというのを確認したくて、6月にはてなで日記を公開した時も、自分のサイトで宣伝というのは全然しなかった。はてな内のシステムだけで、どのぐらい人がくるか?に興味があったのだ。その時、旬のキーワードというのはとにかく人がくるんだなあというのを実感した。
そういった「繋がるためのシステム」を「弱い人」に向けたシステムと称したけど、一方でWikiライクな入力方法などによって、ネット歴の長い人を惹きつける部分もある。

http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040716#p2
何が嫌かというと「つながっている人たち同士の気持ちよさげなのが気持ち悪い」ところですかね。

この愛・蔵太さんのはてなダイアリークラブに対する発言は、さやわかさんが言っていることに近いかなーと思った。でも、「クネクネが気持ち悪いとか言わないし」と言っているので違うかもしれない。
ともあれ、長くなったけど、Webというのは、携帯と違って、関係ない第三者にも繋がりが見えやすい場所なので「気持ち悪い」と言われやすいよなーということ!


はてな貴族」に関しての「調査」という言葉は、別に学術的な調査とかそういうのではなく、言葉を作ってそれが広まっていく姿というのは、自分にとってすごく楽しい行為なので、それの確認という意味での「調査」だった。
キーワードリンクの話は、さやわかさん以外にもそういうことを思っている人はいそうだし、あのわかりやすい発言が波状言論という有料媒体でされているため、意外と紹介されておらず、いい機会だと思って触れてみた。
あの文章は、キーワードの話に限らず、さやわかさんの文をきっかけに自分の考えを語るというものなので、さやわかさんを説得しようなんていう大層な意志を持ったシロモノではないので。


お金払えばできますよ、というのに嫌悪感を感じる話だけど、ネット上でのソフトウェア配布やサービスといったシステムでビジネスを考えた時に、有料会員になれば、新たな機能が使えたり、より快適なサービスを受けられるという仕組みは、気持ち悪いと思っても、他にビジネスモデルがない現在、ネット上のインフラの発展を考えたら、受けざるえないんだろうなーと考えている。オープンソースみたいに、サポートでしか金を取らないという美しいモデルもあるだろうけど、それがすべてに適用できる訳ではないし。
ネット初期の参加者全員の好意によって全部無料という時代から、いろいろな形で各所にお金を払って利便性を受け取る、というのは、ネットが普通の社会と同じになっていくことで、それは寂しいけど、ネットの一般化のためにはしょうがないんだろうと見てる。