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最近はオーディオブログです

作家と読者の距離が近いケータイ小説

ファンタジー小説絡みでイザを見ていたら、ケータイ小説の記事が多かったのでメモ。
ネット上の小説、アニメ…新たな才能で権利ビジネス-ビジネスニュース:イザ!

 実は、書き始めてしばらくすると、「文章力がない」「話に矛盾がある」「実話じゃないんじゃないか」などの誹謗(ひぼう)中傷が増え、小説の更新をやめてしまったことがあった。すると読者から更新を求める声が強くなり、サイト内での否定的な意見に対して反論してくれる動きも出始めた。
 ケータイ小説家と普通の小説家は違う。ケータイ小説の読み手は書き手を「目線が同じ人」ととらえており距離が近い。小説を中心として一種のコミュニティーができており、一体感がある。(談)

ケータイ小説を書いている作家の談話なんだけど、小説家の違いが面白い。隣りにいるような人が書いているという親近感がヒットを生む訳か。小説家のおニャン子クラブ化だ。ネットはラジオに近い説をよく言うんだけど、これもそんな感じ。
水崎綾女ケータイ小説「恋空」が100万部寸前-エンタメニュース:イザ!

20代前半の普通のOLが書いた恋愛物語だが、サイトの読者は1000万人を突破した。 彼氏との出会い、イジメ、レイプ、妊娠、流産、突然の別れ、新たな出会い、衝撃の事実発覚と、めまぐるしく展開する16歳から5年間の恋愛を綴り、友情と家族の絆に支えられながら懸命に生きる主人公の姿が同世代の胸を打った。
 著者の美嘉さんは「恋愛や友人、家族のことで悩むのは誰でも一度は経験すること。読者さんが共感できる部分があったのだと思う」と話している。

これに援助交際エイズがあれば『DEEP LOVE』な気が。
ケータイ小説が人気 若者には紙より身近に-本・アートニュース:イザ!

 都内在住の内藤みかさん(35)。昨年、出張ホストの兄とJリーガーの弟の間で揺れる独身女性の恋愛を描いた小説を新潮社の「新潮ケータイ文庫」に連載したところ、並み居る有名作家を抑えてアクセス数1位に躍り出た。他の無料サイトでも1日16万アクセスという驚異的な数字を記録し、無名の存在から「ケータイ小説の女王」と呼ばれるようになった。
 「紙の本は読まなくても、携帯を見ない若い人はいないはず。メールで使う話し言葉のような私の文体が、携帯というツールに合っていた」と内藤さん。内藤さんに触発されて携帯に作品を発表する人も増えており、各サイトとも、講座を開いたり、文学賞を設けたりと、「ケータイ作家」発掘に本腰を入れている。

これも設定すごいな…。


愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 「物語」の読者は今こんなところにいるらしい
愛・蔵太さんによるまとめ。

昔の少女漫画というか少女小説というか。
今の時代に、ケータイで花井愛子先生戻って来ても、それなりに居場所ありそうに思った。

これは結構ポイントか。
ARTIFACT@ハテナ系 - オタク向けコンテンツ配信媒体としての携帯電話
以前自分でもこんな記事を書いた。
この時の議論で

ケータイ小説とは、読む者ではなく、中高生の自己表現への欲求の強さをうまく利用したコミュニケーション主体のネットサービスであるという視点。中高生から金のかわりに時間を奪う企画出版みたいなもんだと思えばいいのかもしれない。

と書いた。企画出版と書いているが、このビジネス自体には特に悪印象がある訳ではない。あくまでたまたま人気の出るものがあって、それを商品化しているだけだから。
こうしてみると、ヒットしているケータイコンテンツはほぼ女性向け。日常的な感情や悩みの受け皿としてのケータイ小説。オタク向けコンテンツ配信媒体としての携帯電話は若年層にリーチするものとして考えていたのだが、女性向けはケータイ小説があるとして、男性向けだと携帯はどう展開できるんだろうか。
あと、ヒットしているケータイ小説は日常的な話ばかりだが、非日常的な話の受け皿があるのかというのも気になる。
※参考
ITmedia +D モバイル:妄想が実現するとこうなる――「ケータイ少女」に見る“ケータイ発メディアミックス”の可能性 (1/2)