11月20日に開催される文学フリマ(http://bungaku.webin.jp/)で発行される評論同人誌『Natural-Color-Majestic-12』に寄稿するので宣伝を。仕事じゃないけど(笑)。
詳細はこちらより。
http://d.hatena.ne.jp/cherry-3d/20051011
新しい角川映画スキームの誕生や、“新訳”に伴う『機動戦士Zガンダム』のガンダム産業への本格的再取り込みを機に、昨今、福井晴敏や樋口真嗣らに代表される1968年前後生まれのクリエイターと、それを取り巻く同年代のライター・編集者がにわかにコンテンツ業界で活気付いている。その盛り上がりの中で、美少女ゲームやらセカイ系といったものが過去のものとして忘却されはじめる一方、そこには、かつて美少女ゲームシナリオライター・元長柾木が『未来にキスを』で「圧倒的な楽園」と呼んだ「キャラクターと私とゲームだけがある世界」とは、また別のオタクの楽園が出現しようとしている。
それは、『機動戦士ガンダム』のスキームで太平洋戦争や現代日本を語ろうとする、福井春敏の『ローレライ』、『亡国のイージス』に顕著な、政治・歴史といったメインカルチャーと強固に結びついたオタクのあり方だ。簡単に言えば、『機動戦士ガンダム』でオタクは歴史性や政治性を回復できると福井らは宣言している。しかし、そのようなサブカルチャーを安易に歴史に代入してしまう行為は、私たちはガンダムで世界の全てを理解できるのだ、というもうひとつの自閉へと繋がってしまう危険性もまた内包しているのではないだろうか……。
しばしば先行世代のオタクたちが批判するように、00年代前半に隆盛したギャルゲーやセカイ系といった表現形式はたしかに貧しい。しかしそこに、自らの貧しさを所与の前提として真摯に受け止めた上で、あらためて自分と外部との関係を築こうとする方法論を見出すことはできないだろうか。
急速に社会的地位を固め、冗談抜きで日本文化の担い手となりつつあるオタクたちは、どのようにその外部と接することができるのか、そして接するべきなのかを、インタビュー、評論、小説によって検討する。
■インタビュー
- 元長柾木 (ゲームシナリオライター、小説家、id:motonaga、『飛鳥井全死は間違えない』、『未来にキスを』)
- 會川昇(脚本家、『機動戦艦ナデシコ』、『鋼の錬金術師』)
- 桜庭一樹(小説家、『GOSICK』、『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』)
■評論
- 前田久(ライター、id:mae-9);「戦後史」と「戦後史」(仮)
- 水奈月かける(学生):セカイ系から閉鎖系へ (仮)
- 渡邉大輔(文芸評論家):未定
- 福嶋亮大(文芸評論家):未定
- 夏葉薫(ゲームシナリオライター、id:K_NATSUBA)「評伝・桑島法子 〜声優批評の試み」(仮)
- 更科修一郎(文筆業、編集者、id:cuteplus):「優しい楽園の優しくない評論」
- 加野瀬未友(ブロガー、id:kanose):未定
- 松谷創一郎(ライター、id:TRiCKFiSH):未定
- 北守(歴史学専攻、id:hokusyu):未定
- 狛犬邑武(82年生、消費者、id:kimagure):「瀬戸口廉也作品について」(仮)
■小説
- ゆずはらとしゆき(小説家、マンガ原作者、id:yuz4):空想東京百景〜午前三時の永遠(仮)
- ゆずはらとしゆき:空想東京百景の歩き方(空想東京百景シリーズ解説)
- かかし朝浩(マンガ家):杉沢村異聞
- 寿トリノ:煩悩・ドライヴ
- 前島賢(ライター、id:cherry-3d):アンダーグラウンド・エクスプレス
■表紙イラスト
- 宇佐美渉(マンガ家、id:usami_wataru)
■体裁
A5:200ページ前後:価格未定
この内容は、仮のものですので予告なく変更になる場合があります。
ご了承ください。
なんかよくわからないメンツだこと。