ペンギン娘の価格=スポンサーのないアニメの現状 - FANTA-G - 楽天ブログ(Blog)
ここで言われている「スポンサー」はおそらく番組にCMを出しているスポンサーだと思うんだけど、『ペンギン娘 はぁと』はDVDを売るビジネスモデルのアニメであり、このタイプのアニメは、番組の広告費が制作費になっている訳ではない。そもそもアニメ自体が宣伝媒体として見られてないからだ。
プライムタイムのアニメと深夜アニメのビジネスモデルはまったく別 : ARTIFACT ―人工事実―
詳しくは昔の記事で書いたので省略するけど、
大雑把に言うと、キッズ・ファミリータイプは「放送局が番組を購入している」で、青年層タイプは「製作委員会が放送局から番組枠を購入して放送してもらっている」ということになる
ということ。前者は宣伝媒体としての価値が認められているが、後者は映像商品だ。OVAを宣伝のためにテレビで放映しているといえる。『NARUTO』などのファミリータイプのDVDと青年層タイプのDVDは、前者の方がDVDが安いので、見分けは簡単である。DVDが主売り上げではないから、安くできる訳だ。
『ペンギン娘 はぁと』はこの青年層タイプで、枠代を払わないかわりに、ネット配信を使っている。もしかすると配信料を払っているかもしれないけど。
しかし、ネット配信では、視聴者数の母体が少ないので、予想される売り上げ枚数(おそらく2,000枚程度?)が少なく、この価格になったと考えられる。OVAなら30分で6,000円ぐらいの価格が普通なので、80分で9,800円というのは、OVAの価格帯から算出したとも考えられる。最近ではOVA自体が減っているが。
※追記
『ペンギン娘 はぁと』の場合、特典付きであるというのも価格を上げる要因だろう
現状でもDVDの売り上げがきちんとビジネスになっているアニメはかなり少ないという話だから、一タイトルで2,000枚程度の売り上げの作品は、できることならもっとDVDの価格を上げたいと思われる。しかし、テレビアニメのDVDはすでに価格帯が決まっており、価格を上げるのは難しい。だから、赤字はヒット作品の黒字で埋められているのだろう。
いつもの話だが『アニメビジネスがわかる』はお勧めしておく。
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