ARTIFACT@はてブロ

最近はオーディオブログです

『ナチュン』1巻を読んだけど評価に困る

ナチュン(1) (アフタヌーンKC)

ナチュン(1) (アフタヌーンKC)

その芳林堂コミックプラザでアフタヌーン連載の『ナチュン』が大量に積まれていてプッシュされていた。そこにも貼ってあったが、南信長氏の朝日新聞での漫画評で見かけて気になったのを思い出して買ってみた。
asahi.com:ナチュン [著]都留泰作 - コミックガイド - BOOK[↑B]

 オープニングでいきなり世界に引きずり込まれた。事故により脳の左半球を失った天才数学者が、イルカの生態を延々映したビデオを「数学論文」として発表。学会では困惑と失笑を買っただけだったが、図書館でその映像を見た主人公の青年は、奇妙なトリップ感覚とともに神の啓示のようなひらめきを得る。その映像には人工知能に関する画期的な理論が隠されていたのだ!
 そこから主人公は、ビデオ解読のため、沖縄の離島に渡りイルカの生態研究に挑むのだが、天啓に打たれた彼の興奮がそのまま読み手にも伝染し、今どきのマンガにしては細かいコマ割りも一気に読ませてしまう。天才数学者とイルカという組み合わせに深遠なイメージが喚起され、誇大妄想気味の野望と満たされない現実とのギャップに焦燥を感じる主人公の姿には、正統的な青春ものの匂(にお)いもする。

こんな感じで紹介されていて、第1話を読むと、確かにスケールの大きいSF漫画になるのか!?と思いきや、大半は沖縄の島生活漫画。
「誇大妄想気味の野望と満たされない現実とのギャップに焦燥を感じる主人公の姿には、正統的な青春ものの匂(にお)いもする」という部分が4/5ぐらいだよ! 南氏の評を見て、第1話のノリがずっと続くと誤解してしまった。
2巻以降にこの設定を活かした展開になると期待したいところだが、ともあれ1巻だけでの評価は保留したい。連載だと、急展開しているらしいので、2巻が出てから読むほうがいいかも。
なお、作者の都留泰作氏は富山大学助教授で文化人類学者だそうだ。