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最近はオーディオブログです

ワイヤレスイヤホンの価格帯別選び方

今使っているワイヤレスイヤホンのEdifier NeoBuds Proが2021年に出た製品でちょっと古めになったので新しいのが欲しいと思い、情報収集をしていた。入門記事で、あまり触れられていないことがあったのでまとめておきたい。
現在、Amazon新生活セールFINALでセール価格になっている製品が多いので、気になる製品は価格をチェックして欲しい。

LDAC接続は再生時間が短くなる

ワイヤレスイヤホンの再生時間は初心者にはわかりにくい。10時間以上の再生をうたうものはバッテリーケースを使っての充電を含めての場合を言っているものがほとんどだ。*1更にイヤホン本体のみの再生時間はノイズキャンセルON/OFFと使うCODECによって変わってくる。
「LDAC接続は高音質」みたいなことはよく書かれるのだが、この再生時間がかなり短くなることについては触れられていないことが多くて罠だ。ハイレゾのCODECであるLDACでの再生は消費電力が高く、再生時間が短くなる。スペックの半分ぐらいと捉えた方がよさそう。 再生時間を求める人はハイレゾ接続にこだわらない方がいい。特にiPhoneユーザーの人は外付け機器を使わない限り、AAC接続が最高音質となるので、ハイレゾ接続にこだわる必要はない。デジタルオーディオプレーヤー(DAP)でもLDAC接続はかなりバッテリー消費をするので、DAPを使っている人は注意を。
CODECによる再生時間の変化については 各メーカーの公式サイトでも触れてないことが多い。eイヤホンの販売ページではCODECによる再生時間の違いが表記されていることがあるのでチェックしたい。ノイズキャンセルを効かせて長時間高音質で聞きたいという希望は、高い価格帯の製品でないと叶えられない。

低価格イヤホンのノイズキャンセルは通話のノイズキャンセル

よく Amazonなどで売っている3000円程度の安価なワイヤレスヤホンにノイズキャンセルと書いてあることがあるが、そこで言われているノイズキャンセルは正確にはcVcノイズキャンセル と言って通話のノイズキャンセルである。*2余談だが、有線イヤホンでパッシブノイズキャンセルと書いてあることがあるが、これは単なる遮音のことを指している。
外の音が消えるノイズキャンセルはアクティブノイズキャンセルと呼ばれ、5000円以上の価格帯の製品でついてくることが多い。

アクティブノイズキャンセルはイヤホンの遮音性が高ければそれほど必要性はないが外音取り込みは便利

ずっとノイズキャンセルのないワイヤレスイヤホンを使っていて、Edifier NeoBuds Proで初めてノイズキャンセルのイヤホンを使ったのだが、ノイズキャンセルより便利だと思ったのは、外音取り込みだった。カナル型は遮音できるのが良いのだが、外で使う場合、音が聴こえないのはちょっと不安なので、外の音が聴こえる便利さに感心した。なので、初めてワイヤレスイヤホンを買おうと思っている人は、ワイヤレスイヤホンの便利さの一つである外音取り込みがある製品を買うのを勧める。

紛失が怖い

JBLPanasonicなど片方だけ購入できるメーカーも多い。これに関して、わかりやすくまとめている記事は古いものしか見つからなかったので買いたい製品のメーカーのサイトで情報を探して欲しい。

どの価格帯を買うのがいいの?

ワイヤレスイヤホンをまったく持ってない人なら、5000~10000円前後の製品をAmazonセールの時に買うのが一番いいのではないか。国産メーカーの安心が欲しいのなら1万円台で。
オーディオの世界は沼と言われるが、ワイヤレスイヤホンはハイエンドモデルの大半が3万円ちょい(もちろんもっと高い背品はあるが有名メーカーの製品の中ではという意味)というのはオーディオの世界でいうと超激安なので、後悔をしたくないという人は3万円台の製品を買うのを勧める。これより上はないというのは精神衛生上良い。

※今回記事を書くのに参照したワイヤレスイヤホンまとめ記事。カジェログはイヤホンやヘッドホンについてレビューを中心に多量の情報があり、参考になる。

1000~3000円

この辺りの価格帯はAmazonで中華イヤホンが大量に出ている価格帯だ。見知らぬメーカーではなく、Xiaomi Redmi Buds 4 Liteのように、下記で紹介した知名度のある中華メーカーの安価な製品を買うのがいい。Redmi Buds 4 Liteはカナルでなくインイヤーで接続CODECがSBCのみなのに注意。

Amazonギャンブルは嫌だが紛失が怖い、でもとにかく低価格で欲しい人は1100円と安いダイソーのワイヤレスイヤホンがある。ただし非防水なので注意。
怪しい製品の避け方として、「令和最新版」みたいなフレーズが有名だが、「型番などの製品名をしっかり表示してない」というのが挙げられる。製品名があれば、他の通販サイトでも扱っているような製品かどうかわかり、Amazonでしか扱ってない製品は避けたい。無名メーカーのワイヤレスイヤホンは結局製品名はなんなんだよ!というものばかりなので、最終的にBluetooth接続名で呼ぶことが多い。
自分がAmazonギャンブルで買ったのはEynewというメーカーの製品で、値引き率が異常に高い製品だが、こんなチープな製品が2万円を超えるなんてことはなく、中華製品あるあるなので気にしないこと。このメーカーの有線イヤホンの音質が良かったので買ってみたのだが、低価格帯製品の中では、あまり音がこもっておらず、低音に迫力があって割と良かった。非常に軽量なのと充電が数字で確認できるのが良い。防水をうたっているが、壊すのが怖くて防水性能は未確認。Bluetooth接続名は「E3」だった。

5000円前後

この辺りになってくると中華イヤホンといっても、ある程度の知名度があるメーカーの製品が増えてきて、アクティブノイズキャンセル機能がついた製品も出てくる。アクティブノイズキャンセルはなく音質重視のモデルか、アクティブノイズキャンセルがついている多機能モデルか、のどちらかを選ぶことになる。

アクティブノイズキャンセル付き

ゲオのワイヤレスイヤホンのOEM元であるQYCが自社で出しているのがQCY ArcBuds(QCY HT07)QCY HT05はHT07と比べると音質が良いそうだ。*3
Edifier X5 Proは最近出た新製品Donner Dobuds ONEはこの低価格でハイブリッド構成のドライバーを積んでいる。

5000~10000円前後

ワイヤレスイヤホンはもともと製品サイクルが激しいジャンルでもあるが、特にこの価格帯は今一番の激戦区だ。なので、2022年以降に出たものから選ぶ方がいいだろう。具体的にはEarFun Air Pro 3 / EarFun Free Pro 3 / SOUNDPEATS Air4 Pro / Xiaomi Redmi Buds 5 Proが挙げられる。Anker Soundcore Life P3はこの価格帯だが、2021年に出た製品なのでちょっと古い。Redmi Buds 5 Pro以外は試聴したことがあるが、どれも不満はない音質だった。細かい使い勝手に関しては試聴で評価はできないので触れないが、この価格帯の製品はレビューが多いので、使い勝手やマルチポイント接続、ワイヤレス充電など、自分が欲しい機能があるかどうか確認して欲しい。また、操作のカスタマイズができないなど、機能面で意外な落とし穴もあることも。この価格帯の製品に限らないのだが、マルチポイントとLDACの併用はできないものが多い。

 
とにかく売れているEarFun Air Pro 3で、以前はこれを買っておけば間違いないと言われていたが、下記で紹介する近い性能と価格の製品が出て、選ぶのが難しくなってきた。EarFunの中で選ぶ場合、再生時間重視なら、Air Pro 3で、音質重視ならFree Pro 3という評だった。 
去年9月に出たEarFun Free Pro 3。EarFunはイヤホンカラーで値引き率が違うので注意。SOUNDPEATS Air4 Proを買おうと思ったのだが レビューを見ると、外音取り込みとノイズキャンセルのモード切り替えの間に全ての機能がオフになっているモードが入っていて、変更が効かないそうで、それが気になってしまい、購入を見送った。今年頭に出た新製品のXiaomi Redmi Buds 5 Pro。レビューが少なく、通販のみで店頭展示がないため、未確認。

1万~2万円

1万円以下の多機能な中華イヤホンに押されて影が薄い1万円台の製品だが、この価格帯では国内メーカーが多機能なイヤホンを出している。

Technics EAH-AZ40M2は、小さくて装着感が良い、アプリの細かいところに気が配られたアプリ、それなりのノイズキャンセル性能など色々な点が優れており、お勧めだ。難点は再生時間の短さで、eイヤホンの販売ページによれば、ノイズキャンセルONでLDAC接続の場合、3.5時間だという。なおEAH-AZ80は4.5時間だった。*4
AVIOT TE-W1は4月に出る新製品だが、本体のみで16時間という再生時間がすごい。これはノイズキャンセルなしでの再生時間だろうが、ノイズキャンセルONのLDAC接続でも半分の8時間、誤差を考えても6時間は再生できそうだ。Edifier Neobuds Pro2も音質とノイズキャンセル性能の良さで評価が高いのだが、再生時間が短い。公式ではノイズキャンセルONで5時間となっているが、これはSBC接続だろうから、ノイズキャンセルONでLDAC接続だと3時間を切るのではないか。また、2023年の製品なのに、マルチポイント接続、ワイヤレス給電(個人的には気にしないのだが)ができないのも気になる。この価格帯では、Anker Soundcore Liberty 4 NCもあるが、最近ワイヤレスイヤホンの世界は進化が激しいため、Ankerは以前ほど価格性能比が良いとはいえなくなっている。

Edifier NeoBuds Proの後継をこれぐらいの価格帯で買おうと思っていたのだが、この価格帯は機能はいいのだが、音質面で満足できなかった。NeoBuds Proの音質はワイヤレスイヤホンとしてはかなり良くて、ノイズキャンセルもそこそこ効いている。後継機のNeobuds Pro2は再生時間の短さとマルチポイント接続がないため、買っても、体験があまり変わらないと判断して見送った。音質だけ求めるのなら、ワイヤレス化した中華イヤホンで良いし、音質と機能の両方を得たいのなら、3万円台の製品を買うしかないようだ。

2万円以上

多機能と音質を兼ね備えた製品が多い価格帯。比較レビューが多い価格帯なので、詳しくは検索してほしいが、SONY / Technics / Sennheiser / BOSE / Apple といった定番製品のどれかから選ぶことになるだろう。

自分が試聴した中では、Technics EAH-AZ80の印象が良かった。音質、ノイズキャンセル、装着感などすべてが高いレベルで、完成度が高い。SONY WF-1000XM5も良かったのだが、音質は音の繊細さ、クリアさがあるEAH-AZ80の方が好みだった。MOMENTUM True Wireless 4は評判いいのだけど、自分的には音質がそれほど良いとは感じず、価格的にかなり割高だと感じた。HUAWEI FreeBuds Pro 3の評判が良かったが、これまたNeobuds Proを超える音質とは思えず。AVIOT TE-ZX1はとにかく音は良かったのだが、大きいので装着感がよくなかった。

サクラチェッカーのサクラ判定がそもそも信用できない という話

デジタルガジェットのレビュー評価でサクラチェッカーを鵜呑みにしないで! - ARTIFACT@はてブロ
サクラチェッカーについての記事を書いたが、反応で話が噛み合ってないなと思った部分があった。たとえ良い製品を作っていても、サクラレビューをしているような企業は信用できないという反応がちらほらあったのだが、あの記事で一番言いたかったのは、サクラチェッカーがいう「サクラ判定」は信用できないという話なのだ。自分の文章の書き方が悪いところもあったが、あの極端な判定結果を出せば、読んだ人はサクラチェッカーのサクラ判定は信用できないと思ってくれるだろうと考えていたのが甘かった。

これはワイヤレスイヤホンのEarFun Air Pro 3のサクラチェッカーの詳細画面だが、こんな人気製品のレビューのほぼすべてがサクラという事態を事実だと思えるだろうか? 普通なら信じないと思うのだが、サクラチェッカーの表示をなぜか信じてしまう人が多数いる。
このように、サクラ度が99%と表示されたら、下のリンクにあるAnkerの製品を買った方がいいのではないかと誘導されるだろう。特定メーカーの人気製品のレビューがサクラ度99%という結果を出すことによって、Ankerに対して非常に有利な状況になっている。
レビューはサクラ度30%でも、ショップ情報&地域がサクラ度95%というほぼ真っ黒判定をされると、総合サクラ度はすべて99%となってしまう。ある企業をサクラレビューをしていると認定すると、ずっと認定しているようだ。このショップ情報によるサクラ判定は中華メーカーが狙い撃ちされている。
前回の記事でわかりやすいのがUGREENとCIOの違いだ。CIOは日本の企業であるというだけで、サクラ度0%という判定をされているようにしか見えなかった。なお、HuaweiやXiaomi は中国企業なのになぜかサクラ度0%であった。
また、サクラ度99%と判定されるUGREENだが、かつて評価の高い時期があったようだ。何かしら運営者の不評を買って、今のようなサクラ判定にされてしまったのだろう。

サクラチェッカーを使ってない人は使っていないとわざわざ声に出して言わない

記事の反応で面白かったのが、サクラチェッカーを使ってないという人が多かったことだ。通販リテラシーが高い人はサクラチェッカーを使わないだろうし、使わなくなった人は使わなくなったとわざわざ言い出さない。その結果、何が起きてるかといえば、Amazonのセールのたびにサクラチェッカーを使おうという初心者向けの宣伝だけがネットに出回る。サクラチェッカーを宣伝している人たちは本当にサクラチェッカーを信用していいと考えているのだろうか。サクラチェッカーを勧める人はサクラチェッカー自体の信用性について今一度考えて欲しい。

サクラをしているという言いがかり

最近書いたイヤホンの記事にこんなコメントがついていた。

1000円台前半で楽しく音楽が聞ける中華イヤホンのKZ EDX Lite(現在10%OFFセール中) - ARTIFACT@はてブロ

中華イヤホンはAmazonレビューでサクラ酷すぎてもう信用されなくなっちゃったから、今度は日本人サクラレビューブロガーを雇ったのかな。まあ、Amazonレビュー信用されなくなったらこうやって販路拡大するしかないよな

2024/03/29 05:41

中華イヤホンをレビューするブログなんて多数あるのに、事情通のふりで無知を晒す姿に笑ってしまったが、それはこのアカウントの言うことを信じる人がいないであろうと確信できるから笑い飛ばせるのだ。仮にもしこのアカウントが有名だったら、「企業に頼まれたことを隠してイヤホンのレビューを書いているサクラレビュー」だと信じる人が一定数出るだろう。
※当たり前だが、自費で購入したものをレビューしている。仮に企業の提供があったら、当然それについて触れる
サクラチェッカーがやっていることは同じことだ。大した証拠もなく、Amazonのレビュー大半をサクラだと判定しており、特定企業を「サクラレビューをしている」と判定しているのだから。そして、サクラチェッカーには信用があるから、サクラレビューだと信じる人が出ている。Amazonレビューを書いている人もやるせないだろう。サクラレビューをしていると判定している企業相手から抗議されても不思議はない。

Amazonの不正レビュー対策

【やじうまPC Watch】Amazonのサクラレビュー対策でアカ凍結された中国の越境EC会社、売上が45分の1に - PC Watch
AmazonがAukeyやMpowに続けてRavPowerの製品も削除 - GIGAZINE
2021年にAUKEYやMPOW、RavPowerがAmazonから凍結をくらったことがあった。


この事件に運営者は大喜びしていたが、この頃がサクラチェッカー全盛期だったのだろう。この事件以降、Amazonでアカウントが凍結をくらった事例はないようだが、Amazonは不正レビュー対策をどれだけやろうとしているのか謎ではある。

怪しい製品はまともに製品名を表記していない

じゃどうやって怪しい製品を見抜けばいいのだろうか。商品名のタイトルに「令和最新版」などのフレーズが入っているのが、怪しい中華製品の定番であるが、最近はまともなメーカーの製品も「2024」と年が入っているものが多い。なので、自分の判断基準は「メーカーや製品名をまともに表示しているかどうか」だ。製品名があれば、他の通販サイトで売っているかどうか確認できるが、怪しい製品はそんな簡単なこともできない。家電に関してはヨドバシカメラでも扱っていれば、安心だろう。

1000円台前半で楽しく音楽が聞ける中華イヤホンのKZ EDX Lite

据置オーディオ趣味を再開して以来、以前のようにイヤホンなどのポータブルオーディオに関しては、まったく熱意がなくなっていた。移動中は音が聴ければいいという割り切りで、DAPスマホをワイヤレスイヤホンで聴いていた。ところが、久しぶりに手元にある中国メーカーが出している有線イヤホン(俗称:中華イヤホン)で聴いてみると、ワイヤレスイヤホンよりずいぶん音質がいい。最後にイヤホンを買ったのは2021年だったが、これをきっかけに中華イヤホンへの興味が再開した。*1
最終的にLETSHUOER S12 Pro*2という定価2.5万円のイヤホンがセールで2万円だったので買うという、見事な中華イヤホン沼に落ちたのであった。

自作PCのようにカスタマイズが楽しめる中華イヤホン

中華イヤホンの魅力として、カスタマイズの自由度が上げられる。イヤーピースの変更はカナル型ならどれでもできるが、ケーブル変更が手軽にできるのは中華イヤホンならではだ。見た目や音質の変化のために好きなケーブルに変えられる。音を良くするバランス接続というものがあるが、バランス接続に対応したケーブルももちろん用意されている。Bluetoothレシーバーも販売されているのでワイヤレス化もできるのだ。ただ、中華イヤホンはほぼすべてSHURE掛け(耳掛け)なので、SHURE掛けが苦手な人は注意を。

中華イヤホンの定番モデルといえばKZ ZSTX

これ以上の高価な製品は欲しいとは思わなくなっているのだが、中華イヤホンで一番楽しいのは、「安くて音が良いイヤホン」探しである。イヤホンに詳しくない人でも、安価で音が良いと有名なのがKZ ZSTX(KZがメーカー名)だ。俳優の石井正則氏もZSTXに衝撃を受けていた。

ダイナミックドライバー1基が最近の流行

ZSTXは、バランスド・アーマチュア(BA)のドライバーとダイナミックドライバー(DD)を組み合わせたハイブリッドのイヤホンで、中華イヤホンはこのハイブリッド構成のイヤホンが主流だった。ところが、最近はDDの技術進化に伴い、QDC SUPERIORやSIMGOT EA500のようにDD1基だけで音が良いイヤホンが増えている。
KZではZVXというイヤホンがそれだった。DD1基のイヤホンというと、SHURE SE215のように高音があまり伸びないというイメージが強かったのだが、ZVXは伸びやかな高音が出るのが衝撃だった。ZVXは価格も安いのだが、大きくて重いという欠点があり、どうにも初心者には勧めにくかった。

元気な音のKZ EDX Lite

KZ EDX Lite 有線イヤホン インイヤーモニターヘッドホン HiFiステレオIEM、取り外し可能なケーブル付きダイナミックドライバーイヤホン 低音シンガー ミュージシャン ドラマー オーディオマニア(ノミック)に最適
※Linsoulが在庫切れなので、KZ公式ショップの方もリンクしておく。中国からの発送なので時間がかかる
そんなところで知ったのだが、このEDX Liteだ。EDXシリーズの中で、Liteは一番安価なモデルなのだが、その安さからは考えられない良い音が出る。伸びやかな高音と力強い低音が魅力的なのだが、空間表現もしっかりしており、元気な音で音楽を楽しく聴けるイヤホンとなっている。
ドンシャリの傾向が強いので、一番合っているのはアップテンポの曲だ。『KICK BACK』(米津玄師)はイントロのうなるベースの低音が心地よい。低音を多用した最近の邦楽に向いたイヤホンといえる。
鬼束ちひろ「月光 (Live at Bunkamura Orchard Hall on November 17, 2020)」 - YouTube
『月光』(鬼束ちひろ)のライブバージョンはホールの残響音が伸びやかに聴こえて、ホールの空間を感じさせてくれ、ライブの臨場感が非常に出る。
アップテンポな曲だけでなく、アコースティックな女性ボーカル曲もしっかり聴かせてくれる。『ふゆびより』(佐々木恵梨)は、透明感のある歌声と穏やかなアコースティックギターの音をしっとりと表現する。
高価な製品と比べれば、音の解像度や分解能で劣るところはあるが、同価格帯の中で比較したら、音の解像度は抜群に高い。

映像を見るのにも向いているKZ EDX Lite

Netflixで『ガンダムUC』冒頭のクシャトリヤとジムの戦闘シーンを見たのだが、モビルスーツのバーニアや動作音の重低音がこれでもかというぐらい出ており、モビルスーツの重厚感がよく出ていた。よく出る低音と優れた空間表現のおかげだ。
『ぼっち・ざ・ろっく!』5話でオーディションの前に機材の調子を見るシーンでは小音量で機材の動きの音やマイクノイズが聴こえるのだが、これがちゃんと聴ける。*3もちろんライブシーンもよく聴ける。

中華イヤホン入門モデルとして最適

Twitterでこのイヤホンいいよとずっと書いていたのだが、OKPさんとコグレマサトさんが買っていて、満足されているようで良かった。




音にこだわりがない人なら、EDX Liteを買っておけば充分だろう。Amazonではいろいろなショップから販売されているが、日本で中華イヤホンを多く扱っているLinsoulで買うのが安心なので、リンク先はLinsoulにしている。
もうちょっとお金を出してもいいという人はバランス接続のケーブルや多数のイヤーピース、ケースなど付属品が豪華なTRN CONCHがお勧めである。こちらもセール中で現在4000円を切る。

バランス接続とヘッドホンアンプの導入で更に音を良くする

EDX Liteもバランス接続すると、音が良くなるのだが、バランス接続できるUSB DAC内蔵ヘッドホンアンプとケーブルを買うと、最低5000円以上の予算はかかってしまう。同じ予算なら、もちろん別のイヤホンを買ったほうが良いのだが、こういうこともできるという紹介のため、触れておく。

ケーブルはコネクタによって種類があるのだが、EDX Liteの場合はQDCと書いてあるタイプを選ぼう。この辺りが低価格でそれほど太くないケーブルだ。交換ケーブルは結構太いものが多いので注意。スマホに接続できるUSD DAC内蔵ヘッドホンアンプはGUCraftsmanのように5000円を切る安価なものもあるが、かなり特殊な製品なので、一般的には1万円以上の製品を買うのを勧める。花見川さんに教えてもらったAIYIMA H2 miniは約8,000円とこの手の製品としては安い。
普段1万円のEarFun UA100が現在セールで8,480円になっている。Shanling UA3はUAC 1.0 モードがあり、PS5に繋げる利点がある。*4

※イヤホン関係の知識は花見川さん ID:ch1248 にいろいろ教わったので感謝!

*1:このツリーを参照 https://twitter.com/kanose/status/1650363509597937664

*2:レットシュオワーと読むらしい。平面磁気駆動型というドライバーを採用しており、高音や空間の表現に優れている。現在2万円でセール中

*3:Netflixとプライムビデオの両方で確認してみたが、Netflixの方がこの音が聴き取りやすかった。やはりNetflixの方が音質良さそう

*4:ゲーム機で認識できるUSBオーディオUAC 1.0のみ

デジタルガジェットのレビュー評価でサクラチェッカーを鵜呑みにしないで!

Amazoでセールが行われるたびに、サクラチェッカーの使用を勧める人が多いが、自分はこれに疑問を感じる。レビューのサクラ度が高いと表示される製品の中に、良い製品が多数あるからだ。
オーディオを中心に中華製品をよく買っているのだが、サクラチェッカーを使ったことがなかった。なぜなら中華製品だと、どれも高いサクラ度表示が出るので、それを信じたら何も買えない。
無名メーカーならともかく、知名度があり評価の高い製品を出している中国系オーディオメーカーで検索してみたら、EarFunやEdifier、SOUNDPEATSといったメーカーは軒並みサクラチェッカーではサクラ度99%という結が出てくる。各社日本の販売代理店や支社があるが、いまだに怪しい中華メーカー扱いなのだろうか。かわりにFunLogy(※生産は中国だけど日本企業)やAnkerはなんとサクラ度0%であった。

各メーカーのサクラチェッカー検索結果

ワイヤレスイヤホンのEarFun Air Pro 3やEdifier Neobuds Pro2、アクティブスピーカーのEdifier MR4は高評価なのだが、どれもサクラ度99%とひどい結果である。
スマートフォンのアクセサリーでも、ヨドバシカメラで扱いがあるようなUGREENとCIOだと、UGREENはサクラ度99%で、CIOはサクラ度0%と極端な差がある。

このようにそれなりに定評のあるメーカー同士で、サクラ度判定に極端な差があるのだ。運営の説明によれば、海外のメーカーだからなんでも低評価にしている訳ではないというが、EarFunやEdifier、SOUNDPEATSに対する評価を見ていると、そうか?と疑問に感じてしまう。
サクラチェッカー信頼度・信憑性・仕組み等のFAQ

一部のサクラ業者は不正レビューだけでなく、Twitterで一定数以上フォロワーがいる方やユーザーが多いブロガーに自社製品を「あなたのサイト、ツイートでうちの商品を自然な感じで紹介してくれたらX万円払いますよ。」と直接売り込みをかけています。企業案件と呼ばれていて平然とやっているブロガーも多いので注意が必要です。
この手法はユーザーからは気づき辛くステルスマーケティングステマ)と呼ばれています。個人ブログ、Twitter等で紹介されててもサクラ度が高い製品があるのはこのような理由からです

ポータブルオーディオ界隈は、ブロガーやYouTuberへの試供品提供が多いため、それがこの悪評価に影響しているのかも知れない。サクラチェッカーの運営者が「企業案件」と言われているものを嫌っている様子もうかがえる。なお界隈ではメーカーから提供された(試供品提供のみが多い)という表記はきちんとされているので、逆にステマなんかしたら炎上必至だろう。

サクラチェッカーについて同様の指摘をしている人はいないのかなと思ったが、ポータブルオーディオ界隈で言及をしている人はこの人ぐらいだった。そもそもポータブルオーディオなどガジェット関係はサクラチェッカーを頼りにするような人があまりいないのだろうと思われる。


www.youtube.com
ガジェット系YouTuberの人がこんな動画を公開していたが、最後の方で、ガジェットを紹介すると、コメント欄でサクラチェッカーでサクラ度が高いとよく指摘されるため、この動画を公開したと話していた。この動画を公開すると、サクラチェッカーの運営に怒られるかも知れない……と恐怖していたのだが、確かに自分が良いと思って紹介したものを、サクラチェッカーの表示だけで文句を言われても困るだろう。コメント欄では、サクラチェッカーに対する不信を書く人もいた。
製品の質とレビューの信用性はまた別であるが、そこを直結している人が多いためか、サクラチェッカーでサクラ度が高いから買うのをやめようという人も多いのだが、それは本当に賢明な行動なのだろうか? 製品評価が高い製品でもサクラチェッカーでサクラ度が高い結果が出るのは ガジェット系に多い。ワイヤレスイヤホンなどガジェットはTwitterやブログ、YouTubeを検索すれば、詳しいレビューが多いのだから、サクラチェッカーを鵜呑みにせず、製品名で検索して、評価を調べることを勧める。