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ファミ通の名越稔洋氏のコラム

ファミ通の11/10発売号の名越コラムでちょっとひっかかるものがあったので、忘れないためにメモ。
コラムの内容は、年下の友達であるIT企業の社長が語ったというアップルのiPodの参入時のエピソード。当時の調査データで、携帯音楽プレイヤーに満足しているというユーザーが大半を占めていて、とても市場に参入する隙はなかった。普通だったら参入しない市場だが、そんな市場にアップルは参入して成功した。結局マーケティングデータなんてのはあくまで材料でしかないという結論を出す。
確かにマーケティングデータというのは、一部の面しか見ておらず、オールマイティーなデータではないことには同意する。しかし、この結論を導き出したデータは、当時の状況を見ずに考えたら意味がないだろう。この調査の時期は明確にはわからないが、iPod以前なのは確かで、携帯音楽プレイヤーはカセットテープから移行したMDが主流だった時代だろう。mp3プレイヤーの方が便利なのだが、PCの周辺機器という性格が強く、価格も32〜64MBで数万円という時代であり、大して曲数は入らない割に高価だった。要はMDを越えるメリットはあまりなかったのである。
デジタルオーディオプレーヤー - Wikipedia[↑B]
当時の詳細な歴史はこちらの歴史の項目を参照。
そんな状況だったところに、アップルは当時の他の製品よりも利便性の高い製品を投入したという流れだ。また、メモリーオーディオが主流だったので、HDDを採用したiPodは容量単価が安く、コストパフォーマンスも良かった。iPodはそのデザインや操作性で受けていると言われるが、その時点でもっともコストパフォーマンスが高い製品を出していることを忘れてはいけない。
だから「現状満足している」とユーザーが言っていても、現状よりももっと快適な体験ができたり、コストパフォーマンスが上がったりすれば乗り換えるというのが、そのデータの見方だろう。
とはいえ、HDDレコーダーの世帯普及率が伸び悩んだりするように、いくらそれまでとは違った快適な体験ができるといっても、あまり買い換えが進まない例もある。映像機器でも、再生機器はほぼDVDプレイヤーに置き換わったが、録画機器はいまだにビデオが生きている。HDDレコーダーは安くなったといっても、5,6万円はするため、このぐらいの価格帯の製品は買い換えへのハードルが高いのだろう。