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最近はオーディオブログです

SC-PMX90紹介記事の補足

SC-PMX90を紹介した記事は、お陰様でかなりの人に見てもらえたが、気になった反応に対する補足をしたい。

SONY CMT-SX7を使っている人が多かった

自分がオーディオに興味を持った2021年時点だと、SC-PMX90と並んで、USB-DAC内蔵で低価格のいいミニコンポだったが、生産終了(ディスコン)してしまったのが残念。ソニーは純粋なオーディオ機器に関して、ポータブルオーディオに力を入れており、スピーカーを使った製品にはあまり力を入れていないので、もうミニコンポは作らないと思われる。

スピーカーはいらない、本体だけ欲しい

SC-PMX90と似た機能で、スピーカーが付属しない製品は、DENONやmarantzがCDレシーバーとして出している。具体的な機種としては、DENON RCD-M41やDENON CEOL RCD-N10、marantz MCR-612だ。CD非搭載で、デスクトップオーディオに向いたコンパクトなUSB-DAC内蔵のアンプは以前DENON PMA-60などあったが、みな生産終了してしまった。需要がないのだろうか。USB-DAC+ヘッドホンアンプの新製品は多く出るが、スピーカー用アンプは国産メーカー品だとTEAC AI-303のみで壊滅状態である。*1
RCD-M41は3万円と手頃だが、USB-DACはないので、PCから入力するのなら、USB-DACを用意するか、低価格で済ませたいのならPCのUSB出力を光デジタルに変換するDDCが必要だ。スピーカーの出力がバナナプラグなのが嬉しい。RCD-M41とMCR-612は去年値上げしたのだが、現在値上げ前の価格に戻っている。これは一時的な特価のようなので、購入を考えているのなら早めにした方がいい。

DENON RCD-M41用に用意されているスピーカーのSC-M41はコンパクトで低価格、高音質であり、デスクトップオーディオ用のスピーカーとしてお勧めだ。同様のモデルとして、DENON SC-N10がある。ただし、サイズ的な問題で、どうしても低音は弱めになる。www.haradesugi.com
AI-301DA-SPとSC-M41という、模範的なデスクトップオーディオ構成を導入したはらですぎさんは、音の良さに驚いている。コロナ禍で家にいることが増えている人も多いと思うが、家で聴く音楽の音質を高めると、QOLが確実に上がるので、ぜひとも挑戦して欲しい

PCなしでサブスク対応してほしい

PCなしで音楽配信に対応したい場合、音質を重視しなければ、配信アプリを入れたスマホBluetoothで接続すれば、特に追加投資なしでいける。
音質を重視するのなら、ネットワークプレイヤーのWiiM Miniの導入が考えられる。光デジタルで繋げば、音の劣化なしで聴けるが、1万円弱する製品を買うのなら、少し高いが、ネットワーク対応のSC-PMX900や、DENON CEOL RCD-N10、marantz MCR-612といったネットワーク対応レシーバーを買った方がいいだろう。なお、ネットワークプレイヤーはだいたい5万円ぐらいするので、WiiM Miniの1万円弱という価格は破格である。

10万円のスピーカーを勧めるなんてオーディオマニア怖い

デジタルガジェットのような電子機器は3年も使うとスペックが低くなってしまい、使いづらくなってしまうが、アナログデバイスであるスピーカーは最低5年、だいたい10年は保ってくれる。電子機器に比べれば、故障する率も非常に低い。*2自分は当初20年前のスピーカーを使っていたが、特に壊れたところはなかった。10万円のスピーカーが10年使えると考えれば、一ヶ月800円弱の出費であり、それほど高いという訳ではない。
2011年と少々古い記事だが、4gamerで良い記事があったので紹介しておく。

2万円台のサウンドバーの方が音質いいのでは

そういうことは、せめて店頭で音を聴いてから言って欲しい。サウンドバーにはBluetooth入力があるので、自分の好きな音源で聴くことができる。
もともと、サウンドバーよりスピーカー派であるが、サウンドバーの音楽での音質が気になったので、ヨドバシカメラでチェックしてきた。音源はBluetooth接続のスマホで、まず自分がお勧めのDHT-S517で試してみる。MUSICモードは空間の広がりがあるんだけど、なんか薄皮一枚を被っているような音に違和感があった。攻殻機動隊SACのOPの『inner universe』など空間の広がりを強調した曲だと合うことは合っていた。ピュアモードだと音はクリアになるのだけど、横の広がりがずいぶん狭くなって、サウンドバーと同じ横幅ぐらいにしかない感じで、かなりこじんまりとした音の空間になってしまった。
Polk AudioはREACTがなかったので、Signa S3を聴く。外部サブウーファーがあるので、低音は出るんだけど、展示の問題で、本体とサブウーファーが縦方向にずいぶん離れていたので、低音が明らかにサブウーファーから出ているのがわかってしまう。
Signa S4はS3よりは音がナチュラルだなと感じたが、同じく本体とサブウーファーが離れていたので、サブウーファーから低音が出てるのがよくわかった。クロスオーバーの周波数が高いと、サブウーファーから低音が出てるのがすぐにわかってしまう。サブウーファーの設置場所はよく考えないとダメそう。
3万円以上のサウンドバーでこれだから、2万円台は推して知るべしということで。結論として、サウンドバーで音楽を聴くというのは勧められないと強く感じた。音質はSC-PMX90の方が絶対的にいい。サウンドバーとは、あくまでインスタントラーメンであり、そこでラーメンの味を求めるのは酷である。サウンドバーでとにかく気になるのは音の空間の狭さだ。スピーカーは横に広くセッティングしないと空間の広がりが出ないのだが、サウンドバーは物理的な横幅に制限があるから、どうやっても音の空間が狭くなる。それを感じさせないために音の加工をするのだが、そうすると音のクリアさがなくなってしまい、ぼやっとしてしまう。AV Watchサウンドバーのレビューでは音楽もよく聴ける、みたいな記事が多いが、自分はあれには賛同しない。

ハードオフで、安い中古のスピーカーを買えばいい

上の話と少々矛盾するが、20年も経ったら、劣化が出ない訳ではない。特にウーファー部分に使われているウレタンやゴムは劣化しやすい。
オーディオ機器の寿命
スピーカーの音作りも変わってきているようで、20年前のミニコンポのスピーカーと中華製スピーカーを聴き比べても、中華製スピーカーの方が良かった。比較したミニコンポのスピーカーは、SOTECKENWOODが共同で作ったVH-7PC付属のLS-VH7だったのだが、高音のこもり具合が目立っていた。B&W CDM1NTという20年前に出ていた、オーディオマニア入門クラスのスピーカーを使っていたのだが、こちらもMONITOR AUDIO Bronze 50-6Gという最近のスピーカーに比べたら、高音が出ていないのを実感した。ハイレゾの普及とともに、高音を綺麗に出すことが重視されているのだろう。
ハードオフで売っている5000円ぐらいのスピーカーというのは、だいたい20年前のミニコンポ付属のスピーカーで、そんな中途半端なスピーカーを買うぐらいなら、SC-PMX90の付属スピーカーや、1万円程度の中華スピーカー、先に挙げた1万円台のSC-M41やSC-N10を勧める。
中古1万円以下で、お得なスピーカーを売っていることがない訳ではないが、それは知識がないと見極められない。自分はAVACの中古でMISSION MX-Sという2015年頃にONKYOが扱っていたイギリスのメーカーのスピーカーを送料込で8000円で買ったが、これは非常に音が良くて、良い買い物だった。中古でも、5万円ぐらいの予算があるのなら、型落ちになって安くなっているスピーカーが多いので、2010年代以降に出た製品を探すのもありだろう。DALIのZENSORシリーズなどが狙い目だ。

*1:AI-303はHDMI入力がついたために結構価格が上がってしまい、以前のAI-301シリーズに比べると手が出しにくい製品となってしまった。AI-301シリーズのような製品は珍しいので、中古を手に入れるのもありだろう。【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】TVもスマホもPCも。TEAC小型アンプ「AI-301DA-Z」を活用-AV Watch

*2:スピーカーは、接続する時にアンプの電源を切らなかったりなど、アンプとの接続で壊すことがある