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自分と違う価値観の人と対話できることが「コミュニケーションスキル」の高さ

ARTIFACT@ハテナ系 - 2000年代に考える「ネアカ」と「ネクラ」
http://d.hatena.ne.jp/kanose/20050817/neaka

# fake-jizo 『独自の価値観とコミュニケーションスキルってのは本来無関係じゃないかなあ。むしろなんでそんなことを思ったのかが気になるな。』
# kanose 『一般的な価値観に馴染みがある、抵抗がないのなら、コミュニケーションスキルの初期パラメーターが高いと考えてました』
# fake-jizo 『それよりか様々な価値観(が存在すること)を許容できる人ってのがコミュニケーションスキルでは重要じゃないですかね?』
# kanose 『考えのきっかけが「ネアカ」「ネクラ」だったのでその方面では考えてませんでした。確かに許容性は重要です』

コメント欄のこの辺を受けて。
コメントで書いたように、あの文章の発端は1980年代の「ネアカ」「ネクラ」ブームと繋げてみる思考だった。あのブームでは、明るい性格(社交的でもいい)がよしとされ、暗い性格はダメとされた。このブームがわからないと確かに偽地蔵さんが言うように唐突だと思われても不思議はない。
ここで使われている言葉を元に、当時の自分のブームに対する印象を説明する。「ネアカ」とは「社交的な振る舞いをする人」なのだが、「一般的な価値観を不変のものと信じて、様々な価値観が存在することを許容しない人」でもある。こうした人は一般的な価値観を信じている人からすれば、大変付き合いやすい。一見すると「コミュニケーションスキルが高い」と評価されそうだが、これはあくまで「共感能力」が高いだけである。
逆に「ネクラ」は「社交的な振る舞いをしない人」だが「様々な価値観が存在することを許容する人たち」であった。様々な価値観があるというのを知っているからこそ、他人に価値観を強要しない。しかし、ネアカは違う価値観の人間を排除しようとし、価値観の均一化を図ろうとする。「ネアカ」とは「同調圧力が強い人」なのだ。
demiさんの文章は、オタクやサブカルといったマイナー文化の一般化にともない、「価値観の多様化を許容する人」が増えたという前提のもとで書かれたと考えている。そういう人が増えたから、価値観で差別はされることはないということなのだろう。
モヒカン族 - モヒカンダイアリー「アップル通信」 - メタモヒカンと地べたと対話
http://mohican.g.hatena.ne.jp/summercontrail/20050818/com
こちらで、左近さんは

 毛づくろい的なうなずき合いや馴れ合いの技術(共感能力)と「コミュニケーションスキル」を一応概念として区別するならば、コミュニケーションスキルは自分と異なる価値観を持つ人との間でこそ重要となる概念でしょうね。
 また、多様な価値観が存在することを単に許容するだけでなく、対話を行えなければ、それはコミュニケーションスキルが高いとは呼ばないでしょう。

指摘しているがごもっともで。
よくオタクはオタク同士だとよく話すから、コミュニケーション能力がゼロではないというけど、そのような価値観が同じ人同士におけるコミュニケーションが楽で、特に意識しなくてもいい。コミュニケーションのプロトコルが最初からわかっているからだ。問題は、プロトコルが違う人と対話ができるか?である。
いきなり、まったくプロトコルの違う人と話すのはハードルが高いし、別にそこまで合わせなくてもいいとは思う。ただ、プロトコルが近い人同士だと思えるのなら、そういう人とのコミュニケーション回路が開けるよう、なるべく努力したほうがいいと思う。
色々思ツタ事 by いわん 「ネアカ」の「何も考えてない」連中が嫌いだった。そんなあたしは「ネクラ」でした。
http://d.hatena.ne.jp/Ivan_Wisky/20050818#p1

そういった「価値観の差を気付かされる/価値観を変える」きっかけがありながら、
「コミュニケーションスキルもなく、独自の価値観も無く、価値観を表現出来ない」状態というのが、
そんなに長い時間、維持する事ができるんだろうか。そんな状態は耐えられないんじゃないか、と思った。
そんな苦しい状態が続くのなら、どこかで割り切るのではないだろうか。逃げるみたいな表現だけど。

「なんとなくオタクになっちゃった人」はオタクの中でいまや多数派なので、その人たち同士で繋がりやすい。だから別に苦しい状態とかはとりあえずは思わないんだろうなーというのが自分の考え。ただし、一般社会からの疎外は感じると。
見出しのこの表現はよくわかる。当時すごくそう考えていたと思う。お前らなんか何も考えてないじゃん! バーカバーカみたいな。