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ハイビジョンテレビは10年保つか?

薄型テレビのすばらしさをアピールするパンフレットで「テレビは長ければ10年保つから、高い買い物ではない」といういつものフレーズが。
あくまで煽り文句でしかないが、これを実際に考えてみるとどうなるか? 今の薄型テレビが、購入時の明るさをいつまで保てるか実際のところ不明である。ただ、ブラウン管だって半分の暗さになっても、見ている側が気付いてないだけということもあったから、明るさの点だけで寿命を考えるのは不公平だろう。それに、液晶テレビならバックライトを変えれば、明るさは元に戻る。液晶の素子自体の寿命の話もあるけど、詳しくはわからないのでパス。
しかし、もう一つの問題がある。それは接続端子だ。現在のデジタルチューナーとテレビの間の接続は大体D端子である。これだと、MPEG2なデジタル放送の映像データを一端アナログ信号にしてから、テレビで表示する。しかし、HDMIやDVIのようなデジタル接続なら、映像データの1ピクセル1ピクセルを表示素子ごとに対応させられる。ところが、ちょっと前のモデルだとこのようなデジタル接続端子が装備されていないし、ほとんどのデジタルチューナーもD端子出力。せっかく、デジタルテレビを買ったのに、デジタルで見られないという何とも情けない事態が発生する。

※DVIは映像の転送規格。アナログとデジタル両方扱えるDVI-IとデジタルのみのDVI-Dがある。HDMIはDVIをベースに映像とマルチチャンネルオーディオの転送をサポートしている。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0406/07/news058.html
http://www.itmedia.co.jp/news/0301/14/nj00_hdmi.html

次に録画機器の問題がある。ハイビジョンテレビを買って、ハイビジョンをきちんを見られる環境が手に入っても、「ハイビジョン映像を好きな時間で見る」という環境を得るための選択肢は非常に少ない。選択肢は以下の通り。

  • D-VHS(記録はデジタルだけど、構造は今更のアナログメディア)
  • Rec-POTや日立のようなHDD録画機(録画は楽だが、データの移動はD-VHSのみ。それも実時間がかかる。今後出てくるリムーバルメディアへの移動は対応するかどうか謎)。シャープのは普通のDVDにうつすのでHDデータでなくなる
  • Blu-ray(リムーバルメディアとしては安定。でもHDDがないので録画中にメディアに記録した映像は再生できない。これができないと結構不便)

しかも現在、ハイビジョンの録画できるリムーバブルメディアは戦国時代で、現状出ているBlu-rayだけで終わらず、まだ新規格が控えており、どんなメディアが次世代を制するか謎である。

もしかすると、こんな不便な常体の録画機器は廃れて、光ファイバー環境でデジタルセットボックスを使い、見たい時に有料でハイビジョンデータをストリーミングしてみるのが流行るかもしれない。マイクロソフトはそのためにハイビジョン対応のWMV9を一生懸命アピールしているんだし、光ファイバーの使い道といったら、このぐらいしか思いつかない。
しかし、ハイビジョン放送は一番手軽なハイビジョンソースだし、それを録画したいというニーズは強いだろうから、録画機器の進歩も早いかもしれない。
現在、製品化が予定されているものの情報は下記の通り。

http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0403/09/news073.html
この松下のBlu-ray Discレコーダーソニーの定価45万円から考えるに、おそらく定価で40万円ぐらいだろう。7月に発売予定と発表したそうだけど、3月の話だし、現時点でも情報が出てないので計画は変わっているのだろう。もし、HDDを装備したら、価格はともかく、DMR-HS1のような「ハイビジョン録画機器のほぼ決定型」になりそう。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0406/22/news055.html?lc20
シャープは今年度中にHDD内蔵のBlu-ray Discレコーダーを出すとのこと。

DVDレコーダーの価格低下の流れから推測するに、20万円切るのが2006年で、10万円を切るのは2008年ぐらいと予測。おお、アナログ放送終了と一緒だ!

最初に書いた「10年保つハイビジョンテレビ」といえるのは、最低「HDMI,DVIといったデジタル入力端子がついている」モデルだ。そして、デジタルチューナーとテレビがデジタル接続されていること。今のチューナー内蔵モデルは内部の接続、どうなっているんだろうか。デジタルだといいんだけど。
そして、ハイビジョン録画機器はHDD+リムーバルメディアのモデル。でも、どの規格が広まるのかわからないから、現在買うのはかなりの博打である。

今すぐ大画面を楽しみたいのなら、プロジェクターを購入するのをお勧め!といつものオチを書いてみる。最近の機種はワイドXGAの20万円台の低価格モデルでもDVI端子を装備しているから、将来性もあるし。
ただ、2004年度内には、フルHDの解像度を持ったプロジェクターが出てくる。当初は、実売60万円以上するだろうが、2001年にワイドXGAのモデルが60万円ぐらいで、2001年末にワイドVGAのTH-AE100が実売20万円ぐらいで登場して、大ヒットとなった。ワイドXGAモデルが20万円台に落ちてきたのが2003〜2004年。ということは、2,3年ほどで20万円台まで落ちてくる可能性が高い。プロジェクター人気が高まっている今、もっと早いかもしれない。でも、その頃でもフルHD液晶テレビは50万円はするだろう。
現時点では、2002年に出たワイドVGAのモデル(TH-AE100とかLP-Z1とか)の中古を7〜8万円ぐらいで買って、DVDを大画面で楽しむというのが、一番コストパフォーマンスがよい気がしてきた。

とか書いていたら、ITmediaで、こんな記事を発見。また、リアプロを推してるよ!(笑)。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0406/25/news098.html

※最初に文章を書いたあと、iLinkの存在をすっかり忘れていたので、書き直し。デジタル放送は、チューナー部分の仕組みが複雑で、データを受信するための部分と、MPEG2ストリームのデータを画面に表示する信号に戻すためのデコード部分がある。録画機器は、このMPEG2ストリームデータをiLinkで転送されてデータを記録する。従来のようなテレビチューナーの概念とは違うのであった。