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「日本は民主主義社会ではない」 大塚英志×宮台真司 対談全文(前)(5/7ページ) | ニコニコニュース
一つ、橋下市長を巡って面白かったなと思ったのは、選挙の時に(雑誌の)『新潮』がすごいネガティブキャンペーンやりましたよね。その時に「やれ橋下氏」と。それから「親族にヤクザがいる」とか、あるいは「被差別部落のエリアで彼が育った」とかね。そういったネガティブキャンペーンをやって。これ『新潮』の得意技ですよね。こういうネガティブキャンペーン持っていくと、だいたいそこでそれこそ、「愚民」だの「土人」でもなんでもいいんだけども、やっぱそこであっさり先導されてきたわけじゃないですか。『新潮』は、やっぱりそういうふうに大衆を先導することに関してもお家芸だったわけだけども、『新潮』が言わば先導できなくなって、逆に反撃くらったみたいなね。そこで僕はすごく人ごとのように面白かったですね。『新潮』が先導してきた人が、もう先導しきれないんだ。でもそれがネットの世論じゃなくて大阪のおばさんたちを、もう『新潮』が先導できないんだと思うと、そこがすごく面白かった。
これは、差別がよくないなどのようなリベラルな思想を持って、新潮の報道が効果がなかったという訳ではおそらくないのだろう。人気の政治家で、橋下氏と同様な報道をされて、それが効果的なイメージダウンになる場合はあるのだろうか。橋下氏だから、効果がなかったのか、それともこういったネガティブな出自報道自体に効果がなくなってきているのか。
また、新潮が効果的じゃなかったのに、週刊朝日と佐野眞一氏が似たような手法を持って、橋下氏をイメージダウンさせようとしたというのも不思議というか、何を考えていたのか。新潮の報道が問題視されなかったことだけの方に注目していたのかも知れない。この対談は2012年2月に行われたものだが、このあとに起きた週刊朝日の報道には、大塚氏がどう感じたのか気になる。