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最近はオーディオブログです

『イキガミ』を読んだけど期待したほどではなかった

イキガミ―魂揺さぶる究極極限ドラマ (1) (ヤングサンデーコミックス)

イキガミ―魂揺さぶる究極極限ドラマ (1) (ヤングサンデーコミックス)

ヤンサンWEB−連載作品紹介−イキガミ
http://www.youngsunday.com/rensai/comics/ikigami.html

書店のPOPでちょっと興味を持って、すでに出ていた単行本二冊を買ってみた。『バトルロワイアル』的な国家が国民に理不尽な死を宣告する話らしく、そういうのは興味ある方だったので。
国家繁栄維持法という法律が制定された架空の日本で、小学校に入学する時、千人の一人の確率で特殊なナノカプセルが注入される注射をされる。このカプセルは18歳から24歳の間に破裂し、死に至らしめる。それによって、生の尊さを実感させようというのが、国家繁栄維持法の目的。主人公は、このカプセルが注射された人間に告知を届ける役人で、主人公の目を通して、この死に至る人たちを描く。
3話で1エピソードが構成されているんだけど、最初に提示されたそのエピソードの設定から予想される話より深いところまでは描かれることが少なかった。長さの割に、さらりと読めてしまって読後に残らないという。もうちょっと情報量があってもいいんじゃないかなあと思ってしまって、読む前に抱いた期待ほどではなかった漫画。なんか深夜でドラマ化されそうな感じはする。

まんがたうんイキガミ間瀬元朗 小学館 週刊ヤングサンデーで連載中
http://www.mangatown.mainichi.jp/portal/special/tsubuyaki/contents/041.html

あの決定的な敗戦から十数年。

人狼 JIN-ROH [DVD]

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あの決定的な敗戦から十数年。2ch統治下の混迷からようやく抜け出し、ネット社会への復帰を図るべく高度ブログ成長の名の下に強行された急速なアクセス数再編成がその実を結びつつある一方で、このはてな国は多くの病根を抱えていた。
強引なアクセス増加政策が生み出したネットイナゴの群れとそのはてな流入によるスラム化を温床とした凶悪炎上の激増、わけても炎上闘争を掲げた反恋愛至上主義勢力〈非モテ〉の急速な台頭はこれに対処すべきはてな自治警の能力を越えて深刻な社会不安を醸成していた。
株式会社はてなの治安出動を回避し、合わせてはてな公認組織への昇格を目論むはてな自治警内部の動きを牽制すべく、株式会社はてな第三の道を選択した。
はてな圏にその活動範囲を限定しつつ、独自の権限と強力な戦力を保有するはてな公安委員会直属の実動部隊はてなブックマーク、通称〈はてブ〉の誕生がそれである。
迅速な機動力と強大な打撃力によって治安の番人としての栄誉を独占し、第三の武装集団として急速に勢力を拡大したはてブ
しかし当面の敵であった反恋愛至上主義勢力〈非モテ〉が非合法化を含む様々な立法措置によって解体し、離合集散の末にセクトと呼ばれる都市ゲリラを生み出すに及んで、状況は大きく転回することになる。
はてブの中核をなす〈これはひどい〉とセクト〈死ねばいいのに〉の武力衝突は熾烈をきわめ、時に市街戦の様相を呈することもしばしばであり、激しい世論の指弾を浴びた。
アフィリエイト繁栄へ期待を向けて流れ始めた世相の中、〈これはひどい〉はその宿敵であるセクト〈死ねばいいのに〉と共に急速にその孤立を深めつつあった。
タグとブログで武装し、ケルベロスの俗称と共に武闘路線をひた走り続けた〈これはひどい〉の精鋭達もその歴史的使命を終え、時代は彼らに新たな、そして最終的な役割を与えようとしていた。


幹部C「我々自身も大きなリスクを冒しているんだ。この情勢下に断片部の人間がはてブの幹部と密かに会合を重ねるという事がどういう意味を持つか」
幹部B「重ねて言うが、我々ははてブその物を葬ろうとする本庁の連中とはその考え方に於いて一線を画して行動している心算だ。創設時の経緯はともかく、ここ数年はてブがこのはてなの治安の維持に果して来た役割については十分理解しているし、それも君が組織したモヒカン族の活動に負う所が大きいと考えている。我々は君と君のモヒカン族を高く評価しているのだ」


※参考
http://homepage1.nifty.com/~yu/jin-roh/index.html
人狼』『犬狼伝説』のこのナレーションは最高だなあ。特に「その歴史的使命を終え、時代は彼らに新たな、そして最終的な役割を与えようとしていた」は便利すぎ。