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原爆が爆発する時、爆心地近くにいると手が透けて見える

原爆の描き方について。 - さかさまつげ[↑B]

このことで思い出すのは、アメリカ映画が核の恐怖を真正面から描いた、とかつて話題になった『ザ・デイ・アフター』です。
被爆国の者としてはいろいろ描写の甘さを突っ込みたくなる映画でしたが、核爆発の瞬間を、レントゲン写真のように人体が透き通って骨格が浮かび上がるイメージで処理したことは、もしかしたら一種の慎み深さとして見るべきのように思います。この描写に落ち着いたのは、たんに技術的な制約のゆえかもしれず、本音では(『ゲン』がやったような)『レイダース』のクライマックスのごとき顔面溶解を希望!していたのかもしれません。それでも、あのシンボリックなイメージは、作り手が「その瞬間」の描けなさと対峙した感触を残している点で、『ゲン』の同じ場面とくらべて、かえってリアルに感じられるのです。

この「人体が透き通って骨格が浮かび上がるイメージ」について、上の記事にコメントしたんだけど補足を。
7月にNHKBS1BBC制作の核関連のドキュメンタリー「シリーズ核の時代」をずっと放送していた。その中でアメリカの原爆実験に参加して被爆した兵士のドキュメンタリーがあった。
BS世界のドキュメンタリー <シリーズ 核の時代>アメリカ 被曝(ひばく)兵士の告発[↑B]
番組内容を紹介していた人がいたので引用させていただく。
身長147の感想日記: アメリカ被曝兵士の告発[↑B]

 公開核実験で、私達は爆心地から2キロほど離れた塹壕の中にいた。
 身を守る装備は何一つ与えられず、ただ後ろを向いてしゃがみ、しっかりと目を閉じ、
両手で覆うようにと言われた。
 一瞬、辺りが昼間よりも明るくなり、少し目を開けると自分の手の骨がすけて見えた。
 その時強烈な衝撃波に襲われた。それは山に当たって跳ね返りさらに強い衝撃なって戻ってきた。
 爆心地攻撃の演習に入った。しばらく歩くと足の裏が熱くなってきた。
 足もとに目をやると戦闘用の靴の底がめくれて剥がれ始めていた。それほど地面が熱かった。

身を守る装備は何一つ与えられずに爆心地から2キロほどの場所に配置されたという話には衝撃を受けた。この頃は放射能防護服などがないとはいえ…。
で、本題だが、この兵士の人は自分の手が透けて見えたと証言している。放射線は人間に見える訳ではないから、爆発が非常に明るいので、その明るさで肉体が透けて骨が見えたんだと思う。

 グレッグ・フォレストさん。(キノコ雲の事)あれほど美しい物は見た事がありません。
 オレンジ、黄色、紫や緑、色んな色に輝いていました。
 それを見て思いました、ミケランジェロにだってこんな絵は描けないだろう。

この証言も衝撃だった。核爆発はモノクロの映像が多いので、こういうイメージがなかった。
※この番組を紹介している他のページ
アメリカ被爆兵士の告白[↑B]