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「自分はメディアの被害者」という加害者の声に敏感に反応する社会

犯罪関連の分析で、昔は加害者の「自分は社会の被害者」という声に対して社会の同情が集まったが*1、「犯罪被害者」の発見によって、そうした加害者の声への社会からの同情はなくなったと、『ホラーハウス社会―法を犯した「少年」と「異常者」たち』(ISBN:4062723565)などで芹沢一也氏は主張している。
しかし、現在でも加害者の声に対して、社会が反応しなくなった訳ではない。「メディアを見て犯罪を思いついた」という「自分はメディアの被害者」という加害者の声には、敏感に反応しているのではないか。ただ、昔から犯罪をメディアのせいにする言説は、社会のみならず、加害者当人からもあったので、取り立て新しい現象ではないのかもしれないが、社会構造に要因を求める同情が弱まったせいで目立っているのかもしれない。
FPN-吐き気がする現実。
この記事の見解が特別という訳ではないのだけど、これを読んでそんなことを思いついた。

*1:貧困や民族差別などが原因だという声