武田徹氏の8/22の日記より。
http://162.teacup.com/sinopy/bbs
大学のレポートのWEBコピペ問題についての話題が。直接リンクできないのでちょっと多く引用。
たとえば中にN.グレイザーとD.モイニハン『人種のるつぼを超えて』とかの引用があって、授業では触れていなかったので、本当に自分読んだのかと思いつつ、こっちも適当にキーワード拾ってぐぐってみると原典にすぐに行き当たる。「」のある引用部分だけでなく、その周囲の地の文までもが実は全面的に引用コピペなのだ。そして引用文中の引用部分はルールにもとついてきちんとクレジットがついているけれど(それは元の著者がしっかりしていたから)、その周囲全面の地の文に対しては当然のごとくクレジットがない。ひどいのになるとグラムシのところにはてなダイアリー方式のリンク表示のアンダーラインが入ったままプリントアウトされて提出されているレポートまである。バレないと思うことが不思議である。
学生なんて勉強中の身なのだから、レポートが引用や参照のつぎはぎになるのは分かる(原理的にいえば文章なんて全てが他者の言語の引用の束である)。それにしても引用部分と、地の文に繰り込めるまで自分なりに消化した(「つもり」に書き手自身がなれて、読者もそれに納得出来る)部分があるべきだ。で、他者の言語と、他者を内在させた自分の言語の両方が響き合う中で「思想(らしきもの)」の輪郭が示される、それが自分の文章を書くということだろう。こんなの当たり前も当たり前だけど。無断引用はいけませんというのは、アカデミックなお行儀の良さだけでなく、情報的存在としての「自分」と社会との位置関係を言語を通じて知るという普遍性に繋がっている。それを学ぶひとつの拠点が大学であって、だからこそ情報倫理的なことを口うるさく言っていたはずなのだ(逆にお行儀の良さだけを情報倫理として教えていると骨身にならないと思う。ばれなければいいやということにもなるのかも)。
「グラムシ」にキーワードリンクがあるままってのは笑ったんだけど、テキストとしてコピー&ペーストすれば、アンダーライン(リンク)は残らないはずなのに、アンダーラインが残ったままなのは謎だ。
※補足
MS-Wordなどのハイパーリンクが使えるツールにコピペしたという意見が。上のはテキストエディタで考えていたんだけど、普通はワープロソフトを使うか。
※関連
雑誌「セブンティーン」で読書感想文をネットからコピペして書こうという提案が
http://d.hatena.ne.jp/kanose/20050810/seventeen
自由に使える読書感想文
http://d.hatena.ne.jp/kanose/20050812/dokkan