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最近はオーディオブログです

オタク歴史認識欠如話続き

一般的にとらえて話を広げている反応が多かったのでメモを。「オタクの歴史認識」について関心を持つ人が多いということがわかったのは面白かった。
?D 大和但馬屋バンブラ日記 オタクとかSFとか面倒臭いものですなあ
http://d.hatena.ne.jp/yms-zun/20050222#otakuhistery
オタクというよりSFの話に。
ばむばんか惰隠洞 面倒なんですよ、ふんとに
http://www.bumbunker.com/?date=20050222#p02
オタクで有り続けることは情報収集すること、その情報が無価値であるかのように扱われているのを見ると怒ってしまうという分析。
焚書官の日常 (4.4.0) ジャンルの歴史を学ばない若者にジャンルに詳しいとしよりが老婆心であれこれ言う、ことについて(1)
http://d.hatena.ne.jp/mutronix/20050222#otaku

あるジャンルが成熟して、歴史が築かれると、人間ひとりが「把握できない」「後追いで勉強するのがしんどい」局面がおとずれる。そうすると突然、それまでリアルタイムで楽しくやってた筈の人が、入門者に対して「まずはこれから理解したほうがいいよ」と、おせっかいを焼き始める、ように見える。その話を聞く気がない入門者にとって、そういう「歴史」を語ろうとする年寄りは、鬱陶しいことこのうえない。「オレの好きにさせろよ、いいじゃん楽しんでるんだから」、というわけだ。

あるジャンルの経験者は入門者に向けて善意のつもりでアドバイスするんだけど、それが通じないのはなぜかという考察。次楽しみにしてます。
実物日記 オタクにオタク歴史を把握する能力がなくなってきているのか?+野田昌宏氏をフォローしてなかった理由
http://d.hatena.ne.jp/bullet/20050222#p1
ライトノベル☆めった斬り!
ライトノベル☆めった斬り!』に代表されるライトノベル話に関する反応は確かに象徴的だった。ライトノベルはこれまでまとまって語られてなかったが故に、共通の歴史観がなく、そのために世代の齟齬がどんどん出てきたという。

「美少女」の現代史 (講談社現代新書)
〈美少女〉の現代史――「萌え」とキャラクター』でも

何せ、現代史にもかかわらず現在言われている萌えについて述べられているのが本当にラストに入ってからで、いくらもないからです。正直言って、70年代からなんていうのは古すぎて話になりません。古代史です。若い人たちは、その題材にさえついていけないと思います。

Amazonでこんなレビューがあった。
http://d.hatena.ne.jp/yskszk/20041210#p1より]
ヴサイク童貞キモヲタ日記現代風
http://d.hatena.ne.jp/anmonia/20050223#p1
今のオタクはリアルタイムの情報を追いかけるのに精一杯で過去の歴史を学ぶ時間なんかないのだろうという話。確かに80年代は、今から考えるとのどかだったと思う。

また「オタク」という呼称が決して一枚岩などではない集団をあたかも集合のように思わせてしまっているのも困難の一つ。

これ、最近自分が興味を持っているものの一つにあるなあ。岡野勇さんが書いた「今、そこにあるオタクの危機」(http://www2u.biglobe.ne.jp/~captain/sub1.htm)という文章は、オタク再定義運動だろうと思って読んでいたんだけど、「これはオタクだがこれはオタクではない」みたいな狭め方をするのってどういうメリットがあるんだろうと疑問に思った。逆に「これもオタクだよね」という拡大作戦のほうがメリットあるだろうと考えているんだけど、これはこれでオタクグローバリズムhttp://d.hatena.ne.jp/cuteplus/20040611#p1)に陥ることもある。そして、この指摘のように、一枚岩ではない集団をあたかも外部に一枚岩であるかのように見せようとしている動きにも荷担してしまう。
自分のスタンスとしては、オタクグローバリズムに陥らないように後者の道を取りたいところ。同時にオタクといっても今では多様性があるということを説明。「オタクだから○○する」みたいな言説は、オタク内部に向けたものとしてはありだけど、オタク文脈を知らない人が読む可能性の高い場所では言わないと。でも、ネットはどういう人が読んでいるかわからないってのが困るよなあ…。
絶叫機械+絶望中止
http://d.hatena.ne.jp/screammachine/20050222#p4
「歴史感覚の欠如に関しては、別にオタク特有の問題ではなく、サブカルチャー全般において起きている問題なんだけ」という風に「問題」と書いたから、悪いことかのようにちょっと聞こえるけど、自分はそれがコミュニケーションギャップを生む原因になるとは思うものの、悪いことだとは別に思ってない。

 いまやオタクの大多数が歴史を知ろうと思わない?いまや?それはいつの世代と比べてそう思うのか?
 違いなどはない、比べているのは世代ではなく「自分」と「他人」なのだ。

これは他の人も言っているように、ジャンルの充実化によって、個人では追いかけられないぐらいの情報が出てきてしまっているから、もともと過去を知りたがる人自体が少数派だったのが、ますます少数派になっているだろうということ。歴史把握に関しては、ある世代に「能力」がないとかではなくて、接してきた長さの差による発生が多いために世代話になると。

誰でも20代後半になると「歴史を受け継いでるのはおれの世代まで〜」って思うらしいぞ。それは知識や経験が積み重なって、歴史の側に飲み込まれるからなのだ。心配しなくても数年経てば同じことを若い連中が言い始めるのだ。

これはもう異論なし(笑)。