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最近はオーディオブログです

「電車男」とオタク

長いので読むのをパスしていた電車男をやっと全部読んだ。
最初に感じたのは「これって物語というより講座じゃないか?」ということ。脱オタクファッションマニュアルとかあういうのものの総合版。
んでもって、電車男がオタクである必然性をあんまり感じなかった。恋愛スキルのない人間として、アキバ系オタクというのが万人にわかりやすいイメージとしてあるから、それを利用したという印象。『ケロロ軍曹』は良い、エロ同人誌はダメという価値観を押し出してくる辺りも、なんともイヤらしい。
読む前は、安田理央氏の
http://www.fastwave.gr.jp/diarysrv/rioysd/200405c.html#20040531
『「電車男」はオタクの敗北宣言なのか?』という指摘になるほどと思ったけど、実は生粋のオタクサイトは、最初に軽く紹介したぐらいで、強い反応はなかったと思う。大半のオタクサイトは個人ニュースサイト的で、一つ一つの情報に対する重みが少ないってのもあるだろうけど。

http://bm.ishinao.net/detail.html/3298255
http://bm.ishinao.net/detail.html/3361471
これを見ると、取り上げ方に5月中旬のブームと、下旬のブームがあるのがわかる。やじうまWatchで紹介された5/26辺りのブレイクがすごい。

強い反応は、下旬からの層に多い印象がある。はてなとかWeblogやっていて、ギャルゲーとかエロゲーは普段プレイしない、でも「萌え」という単語は知っているぐらいの中間層。ギャルゲーのキャラに萌えっていうのは恥ずかしいけど、エルメス子に萌えというのに抵抗はない、そんな人たち。
なので、これは別にオタクの敗北宣言ではないと思った。

まとめログを「ここでフラグ立ったなー」というギャルゲー的な読み方をしていたんだけど、電車男のログを見るのは、他人のゲームプレイを眺める感じがあって、TRPGのリプレイ集に近いかも。
電車男に感情移入するもよし、スレに参加していた第三者の気分になって読むもよし、そういう感情移入先の多さ、そして、もしかしたら自分もその場で参加できたかも、という可能性を感じさせる点などが、ポイントだったのかな。
ゲーム関係の人たちと話していた時に、電車男の話題が出て「こっちのほうが面白いもの。これじゃみんなゲームやらないよなあ」というイヤなオチが。

自分の最終見解は「電車男は、オタクをやめさせて、普通に異性と付き合わせ、出生率を上げようとする厚生省の陰謀」ということで!

http://d.hatena.ne.jp/eyck/20040528#p1
http://d.hatena.ne.jp/eyck/20040529#p1
これを読んで、自分の感動をなんとか理論武装しようとするエロゲー論壇の人たちを思い出した。
ちなみに自分は、「大人のキス」を読んで「お前は劇場版エヴァのミサトか!」と突っ込んでたクチです。実際の生活で、似たような突っ込みが頭の中に浮かんだことはあるので、現実に絶対ないとは別に言いませんが。

そういえば、前の書き込みで『一杯のかけそば』は、作者が詐欺やっている人だとわかったし、この話で儲けていたから、反発が多かったのではという指摘がありました。だから、感動話におけるフィクション/ノンフィクション問題はちょっと保留。
一杯のかけそば』のことを調べた時に、あれがが1992年だったというのを知ってちょっとショック。
映画の存在も検索するまで忘れていた。