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『ヨハネスブルグの天使たち』は素材は好みでも料理方法が好みでなかった

ヨハネスブルグの天使たち

ヨハネスブルグの天使たち

今年頭に出た『機龍警察 未亡旅団』がKindleのSFセールで安くなっていたので、購入して読んだら、大変面白く、復刊された『ナチュン』も面白かったので、自分の中にSFブームが到来。
そこで、以前から気になっていた『ヨハネスブルグの天使たち』がセール価格になっていたので、買って読んでみたのだが、あれ、なんか期待していたのと違うよ…?ということで、去年見かけたこの匿名ダイアリーの記事の理解が深まるという、前向きでない事態になった。
KindleのSFセールは5月27日まで
ヨハネスブルグの読者たち[↑B]
近未来の紛争地帯という舞台設定など、自分が気になるような素材を取り扱っているので、興味を持っていたのだが、素材は好きでも料理方法は好みでなかったのだ。


伊藤計劃はキリストを超えた。わけあるか。くたばれ。[↑B]
こんな社会にマジになっちゃってどうするの[↑B]
同じ人が書いた他の匿名ダイアリーの記事も面白い。この人はほんとSFが好きなんだろうなあ。数年後、ある小説家がデビューし「この匿名ダイアリーを書いたのは自分でした!」と告白する美しい展開を期待してみたい。


ヨハネスブルグの天使たち』ってギミックはよくできていると思ったんだけど、自分が感じる物足りなさはなんだろうなーと思いつつ、はてダのASINページから感想をいろいろ見ていたら、fujiponさんの感想が自分も近かった。
【読書感想】ヨハネスブルグの天使たち - 琥珀色の戯言[↑B]

僕は伊藤計劃さんの作品は大好きなのですが、伊藤さんの作品には、もっとサービス精神があったのではないかと思うんですよ。

読者を喜ばせたい、という悪戯心とか、余裕があった。

でも、この『ヨハネスブルグの天使たち』って、「こんなに資料を調べました」「真剣に世界のことを考えてます」っていうのが、伝わり過ぎてきて、ちょっとつらい。

そうそう、もっとサービス精神が欲しかった。資料がそのまま出ている感は村上龍氏の小説なんかでありがちなパターン。
同時期に読んだ『機龍警察 未亡旅団』が、チェチェンの紛争という取り扱いの難しい話題を取り上げながら、エンタメ性とテーマをうまく両立させていただけに、その違いを際立って感じてしまった。
もちろん、両者は目指している方向が違っている可能性は高い。『ヨハネスブルグの天使たち』は読者を喜ばせる必要がない文学を目指しているのかも知れないが、自分は文学を読みたかった訳ではなかった。
今は『盤上の夜』を読んでいるんだけど、こちらの方が「こんなに資料を調べました」「真剣に世界のことを考えてます」感がない分、面白い感じがしてる。

盤上の夜 (創元SF文庫)

盤上の夜 (創元SF文庫)