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『Assassin’s Creed』を誉めるのに無理に社会と結びつけなくていいよ!

「デマこいてんじゃねえ!」にマジレスはのれんに腕押しで意味がないと思っているのだが、一時期マジレスブームがあった頃に書き始めたものの、お蔵入りさせていた記事を復活させたい。
ちょうどSF小説お勧め記事にマジレスする人たちがいたので。
お勧めSFは,結局「好み」と「時代性」が大きく左右する - カレーなる辛口Javaな転職日記[↑B]
読んでいてもたいして良いことはないSF名作私選十作 - 脳髄にアイスピック[↑B]
しかし、面倒臭い人が多いことで知られているSFファンが読むであろうに、よくもあんな記事を書けるなーと呆れるのを通り越して感心する。有名作ばかりのセレクトが悪いんじゃなくて、その表現方法がテンプレ過ぎて、まるでやる気のないライターが手癖で書いたような記述に見える。


さて反応したいのは去年の8月と古い記事だ。自分も『Assassin’s Creed』が好きなだけに気になった。
ダークナイト化するゲームシナリオ/娯楽と世相と物語 - デマこいてんじゃねえ![↑B]
一言で言うと、米国同時多発テロ以降、フィクションでは正義の相対化が行われるようになり、映画『ダークナイト』はその代表である。『Assassin’s Creed』シリーズのシナリオは『ダークナイト』の影響を大きく受けている、といった感じなのだが…。

一方、世界情勢はまさに“戦争の時代”だった。

2001年9月11日、米国同時多発テロ。翌10月にアメリカを中心とした連合軍がアフガニスタンに侵攻する。日本では2002年9月に北朝鮮との首脳会談を行い、拉致問題を進展させた。反面、国内のナショナリズムがにわかに活気づいた。2003年3月イラク戦争勃発、世界中の軍事力が中東に集結した。また民間軍事企業(PMC)が注目を集めるようになったのもこの頃だ。※3

ゼロ年代の前半は、世界的に血の気の多い時代だった。

なんかまるでゼロ年代以前には戦争がなかったかのような記述に驚く。戦争に縁遠い日本にいても、2001年以前に視野に入る戦争として、朝鮮戦争ベトナム戦争は当然のこと、フォークランド紛争アフガニスタン侵攻、イラン・イラク戦争湾岸戦争やらいっぱいあったのに、ゼロ年代だけ“戦争の時代”と言われても、非常に理解に苦しむ。
本題であるゲームのシナリオというかストーリーでゼロ年代以降、正義の相対化が最近始まったという話も非常に疑問がある。
海外のゲームで『ダンジョンキーパー』や『Wizardry 4』のように、プレイヤーが敵側の立場になるというゲームはちらほら思い付くのだが、正義の相対化が行われるシナリオのゲームがちょっと思い付かなかった。海外の場合、シナリオではなく、ゲームシステムで相対化を行っているといえる。
そこで、日本国内のゲームタイトルを挙げたい。『タクティクスオウガ』(1995年)や『女神転生』(1987年)では、プレイヤーが正義と考えている行動を疑わせる話となっている。特に『タクティクスオウガ』はユーゴスラビアの民族紛争がきっかけだったと制作者の松野氏が語っており、冷戦後の戦争について、考えていることが伺える。
もちろん、ゲーム以外のサブカルチャー方面では、アニメや特撮、漫画を見れば、もっと歴史は古く、ウルトラセブン(『ノンマルトの使者』)を筆頭に、富野由悠季氏の『海のトリトン』や『ザンボット3』、『デビルマン』など、主人公の正義について考えさせる話は多くある。
また、コメント欄で指摘があるように、そもそもアメコミの世界であっても、『ダークナイト』の原作である『バットマンダークナイト・リターンズ』は1986年に発行されており、アメコミでは米国同時多発テロ以前に正義と悪の相対化が行われていないかのような解説は間違っている。
あと、細かい話だが、『Assassin’s Creed』はフランスのUBIソフトからの販売といっても、開発はカナダにあるUBIモントリオールなので、フランスのゲームと呼ぶのはどうなのかなあ。


Assassin’s Creed』シリーズの大ファンだと言いたいのなら、無理矢理社会とサブカルチャーを結びつけないで、『Assassin’s Creed』がどう面白いのか書けばいいのではないか。
ゲームを遊ぶコストと経験 - デマこいてんじゃねえ![↑B]
こちらの記事の方が『Assassin’s Creed』をどう楽しんで、どう好きかというのがストレートに伝わってきた。300時間というプレイ時間について最初「そんなにかかる?」と疑問だったのだが、今記事を読み直したら、こんな追記が。

300時間というのは攻略サイトを見ずに実績をすべて解除して収集物などをすべて集めるのにかかった時間です。

すげー! 自分は攻略サイト見て50時間だったから、確かに攻略サイト見なかったら、そのぐらいかかりそう…。
ちなみにワタクシUBIモントリオールのゲームが好きなので『Assassin’s Creed』は好きなタイトルであります。SteamのPC版で、1は遊んでなくて2をクリアした。Brotherhoodは途中で止まっているんだけど。なお、BrotherhoodのSteam版は日本語化が可能。*1
オープンワールドのゲームって基本的に二次元方向にしか動けないことが多いのが不満だった。GTAは都市で高い建物があるのに入れない建物が多数。『マーセナリーズ』のように都市より自然が多いオープンワールドは、二次元にしか動けないことが不満になりにくかったし、『PROTOTYPE』のように都市でも主人公の超能力でいつでも高いところに行けるのは楽しかった。『Prince of Persia』で、登る楽しさはあったんだけど、あれはあくまでパズルゲームであって、オープンワールドではなかったからなあ。
Assassin’s Creed』はゲームとしては単調なんだけど、うろついているだけで楽しく、高いところからのダイブが気持ちいいのだ。


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