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アニメのクールの話

アニメに対して「クール」という表現をするようになったのは最近ですよね、という話 - karimikarimi[↑B]

確かに、雑誌とかでは昔っから使われていますね。それが、視聴者というか、見る側が普通に使うようになったのいつかなーと。というか、なんだろう、もっと「クール単位でアニメを考える」とか「クール単位でアニメを語る」みたいな営みについて書いたつもりだったんですが、完全に書き方が悪かったです。ごめんなさい。

この記事の前提として、「私の観測範囲で、アニメに対して「クール」という表現を頻繁に見るようになったのは最近」というものなんですよね。それで「昔から雑誌なんかで見て、頻繁に使っていた古いファンもいるが、1クールアニメが増えて“クール”という言葉の露出がふえたことで覚えたファンも多いのかもしれませんね」とか「ネットの出現により語が広がったかもしれませんね」みたいな主張をしたかったんですよ。

この主眼の方に対して考えると、もともとテレビアニメというのは1年放映のものが多かった。それで『SPTレイズナー』などのように打ち切りがあった時に「3クールで打ち切り」みたいに言葉が使われていた記憶がある。
でもって、90年代前半には、1年の4クールではなく26話の2クール単位のアニメが増えてくる。具体的なタイトルとしては、『無責任艦長タイラー』(1993年)『BLUE SEED』(1994年)『天地無用!!』(1995年)『爆れつハンター』(1995年)『神秘の世界エルハザード』(1995年)が挙げられる。もちろん『新世紀エヴァンゲリオン』もだ。
1996年には深夜アニメの走りである『エルフを狩るモノたち』が1クールだった。しかも1997年には第二期も放映されており、放映時間といい、今のスタイルを形作っているといえる。1997年には『EATMAN』『VIRUS』といった1クールのタイトルもあるがまだまだ2クールの方が多い。
このあと、1クール作品と2クール作品の本数比較とかすればいいんだろうけど、それは手間なのでパス。
自分の結論としては、

  • 昔のようにアニメの放映期間が1年という訳ではなくなったから、視聴者はアニメの放映期間を意識させられる機会が増えた
  • 2000年代前半にはテレビアニメが年間100本を越えるようになって、番組改編期に新番組が多く始まるようになり、視聴者は番組改編期を強く意識するようになった

といったところ。
※追記
id:angmar さんの指摘によれば深夜アニメは1997年の当初から1クールが多かったとのこと。
深夜アニメ一覧 - Wikipedia[↑B]
また、藤津亮太氏による「テレビとアニメの時代」の深夜アニメの回も大変参考になる。id:CAX さん、情報どうもでした。
藤津亮太のテレビとアニメの時代 第22回 深夜アニメ前史[↑B]
藤津亮太のテレビとアニメの時代 第23回 ’90年代後半の深夜アニメの変転[↑B]