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最近はオーディオブログです

プログラマーと絵描きの関係

失 言 小 町 - プログラマが絵描きに相手にされない理由
http://d.hatena.ne.jp/ryoko_komachi/20060211/1139742873

この話題、賛否両論を呼んでいたけど、これは「オタク趣味のあるプログラマー*1とオタク(キャラ)絵描きの関係」と読んだので、そういう視点で納得してた。
この人はプログラマーにコンプレックスがある!とか言っている人がいたけど、ネットアイドルRYOKOさんはプログラマーなんだけどなあ…。こういう話ってバックボーン出さないと誤解されやすいか。

Lounge Programmers Killer - 絵師とプログラマ
http://d.hatena.ne.jp/mkg_b/20060213/p2

上のような構図がわかりやすく出たのが、ここでも指摘されているけど、偽春菜の件だ。

http://lovelove.rabi-en-rose.net/usada.php
仲良く始めたプロジェクトが後から仲間割れでおかしくなった、というようなよくある話ではなく、始めから割れる仲間もなかった、というのが実情です。当時の状態は、一見成功しているように見えたかもしれませんが、あのようなものを作っていたにも関わらず、自分と saxyun 氏との意志の疎通はほぼゼロで、どう考えても尋常な状態ではありませんでした。あのプロジェクトについて saxyun 氏と会話したり、相談したり、あるいは何か決めた、ということほぼないです。今にしてみればそれはどう考えてもおかしいのですが…そういう、およそ意味のある作業などできそうもない状況の中で、なぜか作られ、完成したのが、あのプログラムでした。

偽春菜は、作者がある絵描きに憧れたため、作られたプログラムだった。この例の場合、偽春菜の作者である黒衣鯖人氏*2自身も絵を描いていたので、絵描きの中のヒエラルキーに対して、敏感だったのだろう。
だから、上記の話は、そういったオタク内部での「上手い絵描きが一番偉い」という絵描きヒエラルキーを意識しているプログラマーの話なんだと思う。それがわからない人からすると、何言ってるんだって話に。
※参考

■ミラクルハウス改め魔城ガッデム■: カートゥーンアーティスト・スマックダウン 追記
http://miracle.seesaa.net/article/7206529.html

3ToheiLog: 絵描きに相手にされないプログラマが3Dグラフィッカーには意外に尊敬される理由
http://semiprivate.cool.ne.jp/blog/archives/000381.html

絵描きとプログラマーに3Dグラフィッカーという新たな視点を導入。

ChaboのFF11日記+ - Web屋の内部事情と断絶話。
http://d.hatena.ne.jp/Chaborin/20060215/1139937815
Webサイトを立ち上げるのに、別に単なる静的なHTMLだけ作ってれば良かった199x年代と違って、動的な仕掛けもほとんど必須条件になってきていた2000年以降。Web屋では、どのようなデザインで、どのようなプログラムで立ち向かうのか。そう、そこには「見てくれ」と「仕掛け」という、1つのWebサイトに込められた企画の2本柱を司る「デザイナー」と「システムエンジニア」との仁義なき主導権争いがあります。

プログラマーは「仕掛け」、絵描きは「見てくれ」という視点。


国内オタク絵CG黎明期から状況を見ている者としては、こういった状況になったのは、CG製作環境の高度化が絡んでいるという印象がある。
パソコン通信時代、PC-98やX68Kでは、個人が制作したグラフィックエディタがよく使われていたため、CGに興味のある絵描きならプログラマーは身近だった。そして、CG絵描きの中にもプログラマーは結構いた。代表的なのはマルチペイントの作者Woody_Rinn氏だろう。また都築和彦氏も自分でスーパータブローのプラグインを作ったりしていた。
そして、時は過ぎ、WindowsMacintoshが主流になり、CG制作環境が身近になると、CGに興味がある絵描きが絵描きの中で特殊な存在ではなくなってくる。また、絵を描くツールはPhotoshopPainterなど企業が作ったアプリケーションが主流になっていった。そういった状況の中で、絵描きはプログラムを意識せずに、ただ絵を描くという行為に集中するようになったのだろう。
最近は、高度化に対するカウンターとして、企業の作るヘビーアプリケーションではなく、軽いアプリケーションの需要も高まっているとは思う。そういう需要に応えているのがSAIかなと。

SYSTEMAX - ペイントツールSAI
http://www.systemax.jp/sai/

*1:音引きいれるぜ!

*2:作者の名前の履歴は『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史』p244に詳しい