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「選択されない」リスクの増加

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

松原隆一郎による書評で印象に残った箇所を引用。
http://book.asahi.com/review/index.php?info=d&no=7172

けれども「負け組」というだけで、希望を失う必然性はない。問題は、勝ち組との格差を受け入れつつ、自分なりに頑張ろうと思い直させるシステムまでもが崩壊したことだ。著者は高度成長期から九○年代まで、職業・家族・学校においてそうしたシステムが機能していたという。男性正社員の雇用が安定し収入も伸び、多くがサラリーマン・主婦からなる家族を作り、学校はどこに行ったかで就ける職を振り分ける(あきらめさせる)働きを果たしていた。
ところがそうしたシステムを生んだ大量生産・大量消費型の「オールドエコノミー」がグローバルな競争やIT化という「ニューエコノミー」に取って代わられると、専門能力を有する人と単純作業しか回してもらえない人に「二極化」が進んでしまう。さらに職業や結婚について個人に選択の自由が認められると、職業・家族・学校が不安定化し、望んだ職場や異性に「選択されない」リスクが広がる。

流動化によって、選択肢が増えた結果、何にでもなれるという幻想が出てくる。そのため、どこであきらめるか(「断念」というと宮台っぽい。というかこの考え自体も多分宮台が言ってるとは思うんだけど)という見極めがつけるための踏ん切りがつけにくくなったということか。そのせいで、一発逆転を狙う人が増えてそうな気がするんだけど。起業ブームも、そういう一発逆転の道具だと思われてしまう可能性が高そう。NEETは起業せよ、なんて煽りもすでにあるし。